世界のヘッジファンドが、2026年までに暗号資産(仮想通貨)へのエクスポージャーを大幅に増やすことを計画していることが新たな調査で明らかになった。英経済誌Financial Timesが報じた。
このアンケートはファンド管理サービスを手がけるオランダのIntertrustがヘッジファンドの財務責任者など100名を対象として実施したもの。
5月頃から大幅に価格が下落し、各国でさらなる規制の導入が検討されている中でも、プロの投資家は暗号資産への投資姿勢を崩していない実態が明らかとなった。
同調査によると、5年後に資産の平均7.2%を暗号資産で保有することが予想されるという。回答者の予測が全世界のヘッジファンドに広く反映された場合、世界のヘッジファンドが保有する暗号資産は3120億ドル(約34兆円)に達する可能性があるという。
なお、回答者の17%は今後10%以上の資産を暗号資産で保有すると答えたという。地域別では、北米のファンドが10.6%、欧州連合(EU)および英国を拠点とするファンドは6.8%の資産を暗号資産に割り当てると予測した。
ヘッジファンドによる暗号資産市場への参入はすでに始まっている。
英ロンドンに本拠を構える世界最古のヘッジファンドであるMan Groupはビットコイン先物を取引しており、著名なヘッジファンドマネージャーのPaul Tudor Jonesはビットコインを購入。また、Brevan Howardは資金の一部を暗号資産にシフトするなど、ここにきてその動きは加速している。
Quilter Cheviot Investment Managementの責任者であるDavid Miller氏はFinancial Timesに対し、「ヘッジファンドは暗号資産のリスクを理解しながら、長期的ポテンシャルに期待している」とコメントした。
今回の調査結果は暗号資産のボラティリティや規制の不整備などを理由に懐疑的な見方をしているファンドがある一方で、考えを改め始めたファンドが増加していることを示した形だ。
暗号資産市場の拡大に伴い、暗号資産に特化したヘッジファンドが急増している中で、従来のヘッジファンドもその存在を無視することができなくなっていると言えるだろう。(提供:月刊暗号資産)