ブラジルのブロックチェーン投資会社QRキャピタルが申請していたビットコインETFの取引が、同国の証券取引所において開始された。南米初のビットコインETFとなる。

ビットコインETFとは、ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託のことをいう。ETF とは「Exchange Traded Funds」の略で、証券取引所に上場している投資信託を指す。

ブラジル
(画像=月刊暗号資産)

ETFが証券取引所に上場されるためには、取引所の厳しい審査を通過する必要があり、取引の透明性やセキュリティ確保など、投資家保護が一定レベルを超えていないと申請が通らない仕組みになっている。そのため、上場された場合には信用も高まり機関投資家による投資資金が流入する可能性も高い。

QRキャピタルのCEOであるFernando Carvalho氏は、ブラジルにおける株式市場へのビットコインの登場は、「暗号資産(仮想通貨)市場と従来の金融市場にとっても歴史的な瞬間だ」と述べた。

続けて、同氏は「投資家は、ビットコインの購入にあたり、より安全でシンプルな選択肢を求めている。当社のビットコインETFは、金融市場と暗号資産市場の両方にとって画期的な出来事であり、両者の間を取り持つものとなる。ブラジルの投資家は、強固に規制されたビットコインを購入するための選択肢を手に入れることができるようになった」と説明した。

ビットコインETFは、数年前から米国を中心に各国で金融当局に申請されてきたが、今年に入ってカナダで初めて認可された。

カナダでは2月から4月にかけて、3つのビットコインETF(Purpose Bitcoin ETF、Evolve Bitcoin ETF、CI Galaxy Bitcoin ETF)の取引が開始された。

今回、ブラジルにおけるビットコインETFの取引の開始は、世界において4例目となる。

QRキャピタルは、ブラジル証券取引委員会と米証券取引委員会(SEC)が国際証券委員会機構の提携メンバーであることから、今回のETFの承認は「米国でのビットコインETFの承認を早める可能性がある」と希望的観測を述べた。(提供:月刊暗号資産