2021年6月30日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

前回のFOMCを経て、多くのボードメンバーがタカ派へシフトしたことが確認された。マーケットは7月のFOMCもしくは8月のジャクソンホール会議でのテーパリング宣言をメインシナリオとしており、ドルがジリジリと買われる展開だ。しかし、パウエルFRB議長の直近の発言を聞くと「インフレは一時的」「予防的に利上げすることはない」として改めてハト派スタンスを貫いており、一本調子には買い進むこともできない。このようにパウエルFRB議長をはじめFRBの執行部がタカ派というわけではないため、方向性を確かめる上でも明後日7月2日(金)に発表される米雇用統計は重要度が増してくるだろう。米雇用統計の予想は非農業部門雇用者数が69万5000人増加、失業率が5.7%と申し分のない数字が並んでいる。また、本日30日(水)は欧消費者物価指数や米ADP全国雇用者数といった重要指標があるほか、月末、四半期末でもあるため、実需の売買や、リバランスのフローから大きな値動きにつながる可能性もあり注視したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日30日(水)の戦略だが、月末、四半期末ということでロンドンフィックスまではチャートに集中し、短期で流れに乗れる展開があればついて行きたい。米雇用統計については結果が良ければ年内のテーパリングが改めて意識され、ドル高の継続が予想される。結果が悪かったとしても、米景気回復が進んでいることに疑いはなく、よほど悪い数字が出ない限り、テーパリング開始のシナリオが崩れるとは思えない。ドルが下がる展開では買い場探しと考えている。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。