スイスの「オーデマ・ピゲ」と言えば、言わずと知れた世界三大腕時計(オーデマ・ピゲ、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン)の1つです。オーデマ・ピゲの強みは、“複雑機構”にあります。世界が驚嘆する芸術域に達した技術は、創業者オーデマとピゲの技術を基に絶え間なく発展してきました。
現在でも、世界三大複雑機構の「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」「パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)」は人々を魅了し続けています。
この記事では、名門オーデマ・ピゲのブランドヒストリーと共に、豊富なコレクションの中から自分に最も合った1本を選ぶ方法を解説します。
オーデマ・ピゲ2人の創設者とブランドヒストリー
1875年、多くの時計製造業者が集まる、スイスのジュウ渓谷の街、ル・ブラッシュに小さな時計工房ができました。
工房の主人は、ジュール=ルイ・オーデマといい複雑機構を作る時計職人の間ではすでに名の通った人物でした。
クロノグラフ、リピーターなど彼の手掛けるムーブメントには注文が相次ぎ、だんだんと1人でこなしきれなくなってきます。そこで、オーデマは同業者であった1人の時計師に声を掛けました。その人物こそエドワール=オーギュスト・ピゲだったのです。
1881年、それまで他の時計メーカーからの受注だけだった彼らは、自分たちのブランドを作ることを決意し、翌1882年に「オーデマ・ピゲ」が誕生します。
ピゲは優秀な時計師であると同時に、商才にたけており、オーデマの開発した時計をプロモーションして販売していくという絶妙なコンビネーションが動き始めました。たちまちその名声は広がり、ロンドン出店に続き1888年には、パリ、ニューヨーク、ベルリン、ブエノスアイレスに代理店を置くまでに成長します。
その後も、卓越した技術は子から孫へと受け継がれ、1921年世界最薄、1927年世界最小のムーブメントを製作するなど卓越した機械式時計を世に送り出し続けました。
オーデマ・ピゲは家族経営のまま、ほかのブランドや資本の影響を全く受けることなく独立性を保っていることが1つのステータスとなっています。そして、いまだにその名声が衰えることなく今日まで続いているのです。
オーデマ・ピゲの自分に合った1本の選び方
「オーデマ・ピゲ」の時計の直径(サイズ)は、大きく分けて以下の5種類があります。
- 37mmまで
- 38mm
- 39mm
- 41mm
- 42mm
- 44mm
あまり大きなものを好まない方には40mm前後のモデルがおすすめです。オーデマ・ピゲを代表するコレクションのロイヤルオークは38mm~41mmが標準となっています。これらのモデルは、機能性重視なので、ビジネスシーンなどの日常用途であればこの位のサイズが使用しやすいでしょう。なお、44mmサイズの時計は、ダイバーズウォッチのような特殊な用途向けです。
人気のロイヤルオークにも大きさにはたくさん種類がありますので、ちょうどいいモデルを選ぶには直径もしっかりチェックしましょう。
一方37mmまでの小さいサイズのモデルは、ドレスウオッチが中心となります。小ぶりながらきらりと光り、美しさが際立ちます。フォーマルな席で着けるのであればこちらでしょう。
厚みは10mm以下のものから15mm余りまでいろいろあります。スポーティーで防水性を意識したモデルなどはどうしても分厚くなる傾向がありますので、フォーマルな場にはちょっと似つかわしくないかもしれません。
時計は機能美の塊なので、デザインとサイズ、厚みは表裏一体の関係にあります。自分が使用するシーンに応じて、選ぶとよいでしょう。
コレクションごとのコンセプトを理解して選ぶ
オーデマ・ピゲが販売中のコレクションの種類には以下のようなものがあります。
CODE11.59バイオーデマピゲ
時計見本市SIHH2019にて発表された新シリーズです。CODE11.59とは伝統を引き継いだ職人魂が革命を起こす直前を示すコード(暗号)のような名称です。一見クラシック風で何が新しいのか謎めいていながらもスマートフォンなどの液晶画面に見られる技法をフェイスのベゼルに取り入れるなど、よく見るとコードの謎が解ける、工夫の跡を発見する度に時計ファンをよろこばせる仕様です。
ロイヤルオーク
スチールのケース、8角形のベゼル、タペストリーダイヤル、一体型のブレスレットなどが特徴の1972年に登場し一世を風靡、いまもなお不動の人気を誇るコレクションです。デザインを手掛けたジェラルド・ジェンタ氏は、このロイヤルオークを水に強い腕時計にしたかったため、戦艦の舷窓をモチーフとした8角形のベゼルを8個のビスでしっかり留めることで、薄さと50メートル防水の両方をかなえました。
このコレクションは今やオーデマ・ピゲの代名詞となっています。
ロイヤルオークオフショア
ロイヤルオークをよりスポーティーにし、サイズはロイヤルオークよりやや大きめにしてあります。スポーツウオッチ愛好家向けでしょう。1993年の発表当時は、36mmや38mm主流の薄く小ぶりなことがステータスでした。全く正反対の大きく厚みのあるこのコレクションを生み出したことは、後に長らく続いた大きく厚い時計のブームの先駆けとなりました。
ロイヤルオークコンセプト
オフショアよりもさらに進化した最新技術を詰め込み、スケルトンにして中の機構を見せたうえでデザインを未来的にした挑戦的なモデルです。オーデマ・ピゲが単に歴史を引きずっているだけではなく、未来へ目を向けているというメッセージ性が感じ取れます。
リマスター01
1940年代の優れたデザインのクロノグラフを2020年代の技術でよみがえらせた上品でクールなデザイン。マニュファクチュールの最新技術と、従来モデルよりフェイスサイズを大きくし視認性を高め現代的に再解釈したモデルです。モデルはリマスター01、1種類のみで、1940年のクロノグラフのデザインにオーデマ・ピゲのオーセンティックさを感じさせます。
ジュール・オーデマ
ジュールオーデマコレクションは創業者ジュール・オーデマのトリビュート。複雑機構をこれほどスマートに身に着けることができる技術力を嫌というほど見せつけるモデル群です。日常使いからドレスウオッチまで多彩な品ぞろえです。ほかにも、アヴァンギャルドなデザインで有名な「ミレネリー」、宝石をちりばめた美術品の「ハイジュエリー」、歴史的懐中時計の復刻版「クラシック」などがあります。
実用にするための時計をコレクションしておく、あるいは財産として所有するという目的もあるでしょう。選ぶ際にはそれぞれのコレクションが意味するコンセプトが大いに参考となります。
最も自分に合った1本を大事にしよう
オーデマ・ピゲの時計は、ほかの一般的腕時計とは違う世界にある「芸術品」と言ってもうなずける逸品ばかりです。一度購入すれば自分の子や孫へ引き継いでいけるし、また資産価値も相当なものがあります。
オーデマ・ピゲが発表しているモデルは全部で222種類。自分のライフスタイルと感覚にぴったりと合った1本を慎重に選んで、一生大事にすることは、人生においてとても良いストーリーになるでしょう。
(提供:JPRIME)
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