暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所のFTXが、シリーズBで9億ドル(約1,000億円)を調達したことがわかった。21日、同取引所を運営するFTX Trading Ltd.がプレスリリースで発表した。
シリーズBに参加したのは、ソフトバンクグループ、Coinbase(コインベース)のほか、Paradigm(パラダイム)やSequoia Capital(セコイア・キャピタル)といったベンチャーキャピタルなど、60以上の投資家。
今回の資金調達により、FTXの企業価値は180億ドル(約2兆円)に達すると試算されている。なお、今回の資金調達は暗号資産業界において過去最大規模となった。
FTXは調達した資金を活用し、提供商品をさらに充実させ、事業成長を目的とした戦略的投資を行うと説明している。
また、バンクマン・フリード氏はForbesのインタビューに対し、今回の資金調達の目的は「FTXブランドの成長を手助けしてくれる戦略的パートナーを見つけることだった」とコメント。さらに、調達した資金は主に企業買収に充てるとも述べた。
FTXは香港を拠点として2019年に設立し、暗号資産デリバティブを提供する取引所として急成長している。同社によると、現在の1日あたりの平均取引高は100億ドル(約1兆980億円)以上だという。
米国での事業展開も行っている同取引所は近頃、米スポーツ界とのパートナーシップを通じてさらなる認知向上を図っている。今年初めには、NBAチーム「マイアミ・ヒート」の本拠地の命名権を取得し、話題となった。
この命名権は1億3500万ドル(約148億円)で、19年間のパートナーシップ契約となっている。スタジアムの名前は「FTXアリーナ」と名付けられた。
また6月には、MLBとの長期パートナーシップを締結。MLBのマーク、ロゴ、スペシャルイベントに関連する世界的なマーケティング権を獲得した。
先日ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が出場したオールスターゲームにおいても、審判員がFTXのロゴの入ったユニフォームを着用していたほか、非常に注目されるバックネット下の広告看板にもロゴが大きく映し出されていた。(提供:月刊暗号資産)