SBI傘下で国際送金サービスを手がけるSBIレミットは28日、国内暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードおよび米リップル社と提携し、日本初となる暗号資産XRPを用いた国際送金サービスをフィリピン向けに開始したと発表した。
本取り組みはリップル社が提供する国際送金ソリューション・RippleNetを活用したODL(オンデマンド流動性)を用いて行われる。ODLは国際送金システムを行う際、ブリッジ通貨としてXRPを用いることで、各金融機関が現地通貨を事前に調達することを不要とするシステムだ。これにより、従来の国際送金に比べ送金速度の向上が見込めるほか、手数料を大幅に削減することができる。
この取り組みを行う上で、ブリッジ通貨で用いたXRPを現地通貨に変換する際には、暗号資産交換業者が仲介する必要がある。そのため今回、日本側ではSBI VCトレードが、フィリピン側では暗号資産交換業を営むBetur Inc.のCoins.phが仲介を担当することとなった。
SBIレミットはプレスリリースで、「今後はフィリピン向け送金における受取手法の拡大や、東南アジアを中心とした送金先国の拡充を図るとともに、ビジネスパートナーであるRippleとの共同事業の拡大に努めてまいります」と抱負を述べた。
またリップル社のRippleNetゼネラルマネジャーであるAsheesh Birla氏は、「SBIレミットとの提携拡大により、当社の最大の市場の一つである日本においてRippleNetのODLサービスを提供開始できたことは重要なマイルストーンとなります。SBIレミットは、業界のリーダーとして、新しい技術を先進的に取り入れ、最高の顧客体験を提供しています。ブロックチェーン技術に価値を見出し、活用を推進するSBIのような企業と提携し、暗号資産が金融インフラとなる未来の実現に向けて支援できることを嬉しく思います」と述べた。
29日には、リップル社のコーポレート戦略およびオペレーション担当バイスプレジデントである吉川絵美氏が記者会見を行った。
今回、国内初となるODLの提供先にフィリピンを選んだ理由について吉川氏は、SBIレミットを使う同国からの外国人労働者が多い点を挙げた。
また同氏は、日本が世界でも国際送金にかかるコストが高い国であることを指摘。その上で、ODLが広がることで日本国内にインパクトを与えることができるとコメントした。(提供:月刊暗号資産)