米議会が現在審議を行っている新法案内に、暗号資産(仮想通貨)取引への課税を強化する内容が含まれていることが明らかになった。28日、ホワイトハウスが発表した。
今回審議が行われているのは超党派によるインフラ法案だ。当初はバイデン大統領と米上院超党派で意見が割れていたため、新法案を審議へ持ち込むことに合意が得られないという背景があった。しかし、28日にバイデン大統領が「合意が得られたようだ」とコメントし、新たな展開を迎えたものとみられる。
この法案には、「米国内のインフラに対して5500億ドル(約60兆円)の連邦政府投資を行う」という目的がある。この5500億ドルのうち、280億ドル(約3兆円)を暗号資産取引に課せられる税金から創出することを目指すという。
米暗号資産メディアCoinDeskに共有された新法案の草案コピーによると、「デジタルアセット」の取引を行うブローカーは、今後、受領報告を行う義務を負うことになる。
草案内で指すデジタルアセットとは、分散型台帳に記録された電子的価値と定義されており、暗号資産もその定義に該当する。また、草案内では取引を行うブローカーは広く定義され、DEX(分散型取引所)やP2Pマーケットプレイスもその中に含まれるという。
さらに、ブロックチェーン協会の代表取締役を務めるKristin Smith氏は、CoinDeskとのインタビューで「この草案内に記載されている内容によると、今後は暗号資産に関連する多くの者が取引に関する申告を行う必要になる可能性がある」とコメントしている。例えば、暗号資産ウォレットの開発者からマルチシグの提供者、暗号資産マイナーまで様々な人が対象になるかもしれないのだという。
今回のインフラ法案は超党派との合意が決定したのち米上院に提出され、さらに審議が行われる予定だ。現在、法案が可決されるか否かの動向は不透明となっている。(提供:月刊暗号資産)