フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリ子会社のメルコインは5日、暗号資産およびブロックチェーンの分析技術を有するBassetの全株式を取得し、同社がメルカリグループに参画したと発表した。株式譲渡は7月2日に完了したとのこと。
Bassetは「Visualizing On-chain Insights」をミッションに掲げ、暗号資産やブロックチェーンの分析技術を開発し、金融事業者を始めとした多業界におけるコンプライアンスを推進している企業だ。
今年4月には、ビットコインの情報を検索する取引分析ツール「Basset Explorer」の提供を開始。同ツールでは、暗号資産を取り扱う金融機関における資金の動きをリアルタイム監視できるほか、危険な取引の兆候を自動検出できるという。
Bassetはこうした取り組みを通し、暗号資産を取り扱う金融機関における効率的なリスク管理とコンプライアンスの包括的な推進を支援している。
一方メルコインは、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、メルカリの子会社として今年4月に設立。メルカリでは、2018年頃からイーサリアムを中心とするブロックチェーンの研究開発を社内で進めてきた。
同グループはメルコインをメルカリ、そして決済事業の「メルペイ」に続く事業の柱に育てる方針を打ち出している。
メルコインはBassetを買収したことで、暗号資産事業をさらに促進させていくものとみられる。
現在メルコインの暗号資産事業においては、メルカリの売上金をビットコインで受取れる機能や、メルペイでの決済、与信、暗号資産・資産運用機能を1つのウォレットで提供するための環境構築などを行っている。また、NFT(非代替性トークン)を活用した新たなデジタルコンテンツ、サービスの所有権を流通させることも目指しているという。
メルコインはプレスリリースで、「メルカリグループにおいて、Basset、メルコインの共同で、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことで、業界のリスク管理とコンプライアンスの包括的な推進を行い、今後の暗号資産・ブロックチェーン業界の発展に貢献してまいります」と抱負を語った。(提供:月刊暗号資産)