12日のビットコイン価格は狭いレンジでの推移が続いている。
暗号資産(仮想通貨)市場は欧州市場の開始に合わせ下落を見せ、ビットコインも一時500万円を割った。記事執筆時点では徐々に価格を戻し、500万円前後を行き来している。
米国時間11日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予測を下回ったことで、早期のテーパリング(量的緩和の縮小)実施の可能性が後退したとの思惑から、NYダウが続伸。過去最高値を更新する値動きを見せると、暗号資産市場でも買いの動きが強まった。
しかしビットコインは4万7000ドル(約518万円)のラインが意識され上値を重くすると、その後は明確な材料もなく下落。1週間比で見た際に1万ドル(約110万円)近い上昇を見せていたこともあり、利確する動きが強まったものとみられる。
一方、アルトコインは11日よりXRP(リップル)を筆頭に価格を伸ばしている銘柄が多数見受けられる。
記事執筆時点ではビットコインと同様に全面安となっているが、前日比プラスをキープしている銘柄もある。
ビットコインが500万円を突破後、落ち着いた推移を見せるようになったことでアルトコインへの資金流入が顕著になりつつある。そういった状況下で、韓国送金大手GME社が国際送金ソリューションであるRippleNetへ参加したことも追い風となりXRP価格は大幅上昇。6月初旬以来となる117円まで価格を伸ばした。
XRPは発行元の米リップル社と米国証券取引委員会(SEC)との間で行われている有価証券問題を巡る裁判の動向に価格を左右されている面がある。一時はリップル社に有利な展開も見られたが、依然として動向は不透明であるため、引き続き注視する必要があると言える。
今後、暗号資産市場はテーパリングや各国で活発化している暗号資産規制の動向次第では再び下落する可能性も考えられるため、価格の急変動には注意が必要だ。(提供:月刊暗号資産)