米自動車保険会社Metromileが、100万ドル(約1億1,000万円)相当のビットコインを購入していたことがわかった。同社が8月10日付の米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類で判明した。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

提出書類には、「2021年6月までに、当社は100万ドルのビットコインを購入し、受け取った。2021年6月30日までの6ヶ月間で、当社はビットコインの減損損失として10万ドルを計上した」と記載。具体的には「2021年6月30日時点で、当社が保有するビットコインの帳簿価額は90万ドルで、10万ドルの累積的な減損を反映している。2021年6月30日時点での保有ビットコインの公正市場価値は90万ドルだった」と説明した。

Metromileは今年5月、保険契約者が保険料の支払いと受け取りにビットコインを利用することができるオプションを近々提供すると発表していた。実現すれば、同社は暗号資産(仮想通貨)で保険料の受け取り・支払いができる最初の保険会社となる。

なお、このサービスを提供する目的で2021年第2四半期中に1000万ドル(約10億1,000万円)分のビットコインを購入する予定であることも発表している。

同社は2021年第1四半期の株主へのレターで「暗号資産の導入が世界中で急速に進むなか、金融の分散化が消費者の行動や金融インフラを変化させる可能性があることは明白になってきた」と記載し、暗号資産に関する取り組みの重要性を語っている。

Metromileは走行距離に応じて保険料が決まる自動車保険サービスや、AIの導入などで手続きや業務の効率化するなど、デジタル技術を導入する姿勢を積極的に見せている企業だ。

同社はビットコインの将来性について強気の見方をしており、CEOであるDan Preston氏も、自社サービスにビットコインを導入すると表明した際、「我々はブロックチェーン技術が持つ可能性を信じている。分散型金融や暗号資産を取り入れることが保険サービスにおいて長期的にどのような優位性を生み出すかについてはまだわからないが、保険料や保険金の支払いにビットコインを選択肢に入れることは、重要な第一歩になると考えている」とコメントしている。(提供:月刊暗号資産