米決済大手のPayPalは23日、暗号資産(仮想通貨)売買サービスを英国でローンチしたと発表した。同日、米CNBCなどが報じた。
PayPalは、米国では昨年11月からすでに暗号資産売買サービスを提供開始しているが、国際市場への展開は今回が初めてとなる。英国のユーザーは、23日よりPayPalで暗号資産の売買や保管ができるようになるという。
PayPalの暗号資産サービスには、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコインの4銘柄の売買と保管機能が備わっている。暗号資産をPayPal外へ送金する機能は未実装だが、1ポンド(約150円)から暗号資産を購入できるほか、価格の推移や市場に関するニュースを閲覧することが可能だ。
また、決済大手であるPayPalが提供するサービスだからこそ、今まで暗号資産に触れる機会がなかったユーザーも取り込めるという側面もあるだろう。
PayPalでブロックチェーンおよび暗号資産・デジタル資産部門におけるゼネラルマネージャーを務めるJose Fernandez da Ponte氏は、「市場では(様々な)暗号資産が流通しているが、比較的洗練されたユーザーでなければそれらにアクセスできないという状況があった。我々のようなプラットフォームは、暗号資産への良い入り口になる」と述べている。
また、同サービスが英国に展開されると同時に、規制当局の監視が厳しくなっている点にも注視したい。例えば、今年6月には世界最大規模の取引量を誇る暗号資産取引所Binance(バイナンス)が英国金融行動監視局(FCA)から国内での営業行為を禁止された。
Da Ponte氏は英国内で強まる規制に対して、「暗号資産市場へのユーザーの関心や取引量が高まるとともに、規制当局も市場に注意している」とコメントした。
英国における暗号資産関連サービスの普及については、今後、各企業が規制当局といかに協力していくかが重要なポイントとなると考えられるだろう。(提供:月刊暗号資産)