「チャーチ(Church’s)」はイギリスの高級靴ブランドです。創業は1873年で、靴づくりの町として栄えてきたノーサンプトンで、トマース・チャーチが2人の息子とともに設立しました。その確かな技術力によって、小さな靴工房は創業からわずか数十年で飛躍的な成長を遂げます。現在はモダンなデザイン靴も生み出すその歴史を振り返ります。

小さな工房から世界中のファッショニスタが愛用するブランドに

ジェームズ・ボンドも愛用した正統派英国靴Church’sの魅力、プラダ傘下でさらなる発展
(画像=myronovychoksana/stock.adobe.com)

1921年、チャーチの1号店が誕生しました。1957年に設立された新工場は、今現在もチャーチの本社として役目を果たしています。1965年にはチャーチにとって2回目となる王族訪問を受け、女王エリザベス2世がこの工場を視察しました。その類いまれな輸出功績に対して、英国女王賞が授与されました。この受賞により、チャーチは国際的なブランドとしての地位を確立します。

1999年にはプラダグループに買収されましたが、これはチャーチを衰退ではなく、むしろさらなる発展へと導くものとなりました。あくまでこれまでチャーチが培ってきた歴史と技術を尊重することを前提としたものであり、伝統的なモデルにモードブランドのデザイン力という新たな武器が加わったことで、世界中のファッショニスタが愛用するブランドへと進化します。

2000年代に入ると、2001年にミラノ、パリ、2002年にローマ、サンモリッツ、2003年にニューヨークと、世界中の重要な国際都市に新しいショップを続々とオープンします。2013年には東京の表参道にも日本初となる旗艦店をオープンしています。

チャーチが革靴の常識を変えた!

今ではとても考えられないことですが、1870年代の靴は左右の区別がないものが多くを占めていました。チャーチはこの靴づくりの常識を変え、左右それぞれの足の形に合わせた湾曲構造を初めて取り入れ、履き心地を飛躍的に向上させたのです。

そしてサイズ展開においても当時は存在しなかった「ハーフサイズ」刻みを取り入れ、幅広いオプションの中から選べるようにしました。これらの功績が認められ、1881年にはロンドンで行われた靴の展覧会で金賞を受賞しています。現在においても昔とほとんど変わらない製法を堅持しており、一足作るのにかかる期間は革の切り出しから数えると約8週間。熟練職人の手によって、計250の工程を経て完成させています。

また、チャーチの靴を語る上で欠かせないのが、ポリッシュドバインダーカーフ。カーフレザーの表面に特殊な樹脂加工が施されており、通常よりも光沢感が増すのが特徴です。チャーチが独自に開発した素材で、傷や汚れがつきにくく、雨にも強いという利点があります。

知っておきたい、チャーチを代表するモデル

チャーチには複数のモデルが存在します。覚えておきたいものをいくつか紹介しましょう。

・コンサル
シンプルながら存在感のある佇まいが、まさに「領事(=コンサル)」の名にふさわしい正統派の靴です。内羽根ストレートチップのフォーマルなデザインは、冠婚葬祭からビジネスまで幅広く対応可能。このモデルはポリッシュドバインダーカーフではなく、きめが細かく上質なカーフレザーを使用しており、深い光沢が品のよさを演出してくれます。

・シャノン
履き口が外に開き、ひもで閉めて固定する外羽根式のモデルで、元々は軍靴として考案されたと言われています。デニムなどカジュアルな装いにも合わせやすく、男性のみならず女性愛用者も多いモデルです。素材には件のポリッシュドバインダーカーフを使用しており、絶妙な光沢感はさすがのひとこと。映画『007/慰めの報酬』でダニエル・クレイグ演じた6代目ジェームズ・ボンドが着用したモデルでもあります。

・ライダー
チャーチのライダーというチャッカブーツは、元祖となる「ライダー」と「ライダー3」が存在します。その違いはアウトソール。シャノンと同様にジェームズ・ボンドが映画内で着用したライダー3は、厚みのあるダイナマイトソールを使用(ちなみに「ライダー」はクレープソール)。レザーソールのようにスマートな見た目でありながら、雨に強く、グリップ力にも富んでおり、デザイン性と実用性を兼ね備えた一足です。アッパーに使用されているスエードレザーは、チャーチならではの上質なカーフレザーを、丁寧に起毛させて仕上げています。

質実剛健な靴で、男を上げる

確かな技術と、高いトレンド性を備え、さらにジェームズ・ボンド愛用の革靴とあれば、男心が揺さぶられないはずはありません。大切にお手入れすれば一生の相棒となるカーフの靴。ぜひ一度ショップに足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

(提供:JPRIME


【オススメ記事 JPRIME】
超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
「プライベートバンク」の真の価値とは?
30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
富裕層入門!富裕層の定義とは?
世界のビリオネア5人が語る「成功」の定義