英国の紳士靴と言えば、エドワードグリーンやこのコラムでも紹介したことのあるジョン・ロブ、ガジアーノ&ガーリングなどがありますが、「ジョージクレバリー」も英国紳士靴としてその名も高い名門の1つです。日本でも手に入る英国の名門紳士靴の1つとしては、ぜひとも知っておきたい気になる存在です。

そこで、この記事では、ジョージクレバリーの歴史とその魅力に迫り、オーダーの仕方について解説します。

ジョージクレバリー、ブランドヒストリー

グローブのようなフィット感が魅力の英国靴名門ジョージクレバリー
(画像=myronovychoksana/stock.adobe.com)

「ジョージクレバリー(GEORGE CLEVERLEY)」というブランド自体の始まりは1958年です。比較的新しいと思うかもしれませんが、創業者ジョージ・クレバリー氏は1898年生まれで、ロンドンのビスポークブランドにて40年近くキャリアを積んだ後、メイフェアに自分のお店を作りました。

クレバリー氏がブランドを立ち上げた時、既に60歳でした。1976年にブランドをたたんでしまいますが、その技術がなくなってしまうのを惜しむ声は強く、その2年後、まな弟子だったジョン・カネラ氏とジョージ・グラスゴー氏を後継者に指名します。

看板を引き継いだ2人は、翌年に既成靴のシリーズを発表。現在のジョージクレバリーの形を作り上げました。

現在の当主はジョージ・グラスゴー氏の息子のジョージ・グラスゴー・ジュニア氏で、政治経済を学んでニューヨークで金融関係の仕事をしてきました。厳しい経済環境の中でも生産体制を拡充していったやり手の経営者です。1年のうち半分は、世界中からのオーダーに応えるためのトランクショーでロンドンにはいないと言います。

セレブをとりこにするシューズの特徴

ジョージクレバリーは、世界各国のセレブがこぞって顧客となっています。では、そのシューズにはどのような魅力があるのでしょうか。

・英国靴には珍しいエレガントなフォルム
伝統的な英国の紳士靴の特徴と言えば、がっしりとした実用性重視の重厚な雰囲気にあるということができます。

ところが、ジョージクレバリーの場合は英国の紳士靴には見られないデザイン、すなわち少し「色気がある」と表現されるような優雅なフォルムとシルエットがあり、デザインのみならず、フィット感や丈夫さ、長持ち性、も兼ね備えた「才色兼備」の紳士靴であることが最大の魅力です。

・チゼル・トゥの元祖
今ではほかのシューズメーカーがこぞってまねしているため珍しくなくなりましたが、「先端を削り取ったような」と表現されるつま先、「チゼル・トゥ」こそ、ジョージクレバリーの代名詞です。

四角いのに四角くない、角ばっていながら柔らかいという絶妙なカーブ。この美的感覚こそ、世界の名門ブランドならしめている無形の財産でしょう。

・履き心地の良さ
ジョージクレバリーは既製品であってもそのフィット感に定評があります。緩さもきつさも感じない絶妙な履き心地はまるでグローブのようなフィット感。

木型1つで印象や履き心地はがらりと変わることを熟知した職人が、ラスト(木型)作りに執念をかけるジョージクレバリーだからこその履き心地と言えるでしょう。

日本でビスポークをオーダーするには?

ジョージクレバリーの代表、ジョージ・グラスゴー・ジュニア氏と職人が来日しての「トランクショー」は年1~2回開催されています。

トランクショーでは、あらかじめ用意されたなかからモデルや素材を選んでオーダーするパターンオーダーと、革やスタイルなどすべて自分の好みで作ってもらえるビスポークもあります。注文から完成するまでの期間はおよそ2年です。

ビスポークを受注し、顧客と相談しながら作る中で、思いのほか良いものが出来上がると、その人の名前を取った製品ができたこともあるとか。ジョージクレバリーの既成靴の中に「NAKAGAWA」という靴がありますが、ビスポークの過程でできたものなのだそうです。

英国の名門紳士靴を一足手に入れよう

英国の名門紳士靴のビスポークを注文して、2年もの間じっくりと待つというぜいたくは普通できません。究極なまでにかっこよく、足にフィットしたビスポークシューズを一足手に入れて大事に履いてみてはいかがでしょうか。

(提供:JPRIME


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