ロシアの国立エルミタージュ美術館が、暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)のNFTマーケットプレイス「Binance NFT」において、44万ドル(約4,800万円)におよぶ売り上げを記録したことがわかった。NFTはオークション形式で販売され、8月31日から9月7日まで行われた。

今回のNFT販売は、「Your token is kept in the Hermitage」プロジェクトの一環として行われた。

美術館
(画像=月刊暗号資産)

同プロジェクトを通じて、5つの名作のデジタル・コピーがNFTとしてオークションにかけられた。それぞれの作品は以下の通りだ。

  • レオナルド・ダ・ビンチ「リッタの聖母」
  • ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「ライラックの木」
  • クロード・モネ「モンジュロンの庭の片隅」
  • ジョルジョーネ「ユディト」
  • ワシリーカンディンスキー「コンポジションⅥ」

これら5つの作品をトークン化した絵画は、それぞれ2部作成されている。2部のうちの1つは美術館に保管され、もう1つがバイナンスにて販売された形だ。

また出品されたNFTには、エルミタージュ美術館の館長を務めるMidhail Piotrovsky氏による署名と当時の日付、時刻も加えられ、ブロックチェーンに記録されたという。さらに購入者には、落札した絵画に館長がサインを書く様子を納めた動画も送られた。

今回のプロジェクトに関して、Piotrovsky氏はエルミタージュ美術館の公式ホームページで次のようにコメントを残した。

「我々は、発行されたトークンを利潤目的で使用するつもりはない。NFTとは哲学、保有の美学である。インターネットは芸術作品のコピーで溢れていて、誰にでも手に入るのが実情だが、NFTは所有しているという実感や、今回の場合は偉大な美術館と繋がっている実感を与えるものだ」

Binance NFT部門の責任者であるHelen Hai氏は、「我々は世界最大級の美術館がNFT市場に参加する歴史的な瞬間を目撃している」とコメントした。

2021年に入りNFT市場への注目は非常に高まったことで、多くのNFTを活用した事例が見受けられている。今後もこうした動きはさらに加速していくことだろう。(提供:月刊暗号資産