ライトウェイトと適度なサイズ、そこは外せない。 スポーツカーにとって、ライトウェイトと重量バランス、そしてサイズは重要項目である。500万円以上の予算があるとしても、重視すべきはまず車重。上位には軽量コンパクトな2台を選択。予算に上限がないならば、魅力的なスーパーカーの世界が広がる。アストンマーティンと国産スーパースポーツを代表する2台は大いに魅力的。パフォーマンスとともに、持て余さないサイズを尊重したモデル選びである。
1位:LOTUS Elise
ロータス・エリーゼは往年のフォーミュラカーそのままの構成を採用したMRスポーツ。シャシーは高硬度のアルミを曲げ加工しエポキシ系接着剤で組み上げたバスタブ型、エンジンはミッドシップマウント、ボディはFRP製だ。軽量でシンプルな構造と、操縦安定性こそが名門ロータスのこだわり。1996年の販売開始から実に25年、いよいよ有終の美を飾るが、走りの実力は現在でも素晴らしい。矢のように進む直進性と、ステアリング操作と同時に切った方向にシャープに曲がるハンドリング特性は世界最高レベル。エンジンの荷重を受け止め駆動する後輪は、接地感をリアルにドライバーに伝える。イメージどおりにパワーオーバーステアを作り出せるのもエリーゼの真髄。低い着座姿勢も心地いい。エンジンはトヨタ製1.8リッター直4スーパーチャージャー。220psのパワーで軽快に豪快に加速し、曲がり、止まる。最終型はエンジン出力に見合う「最高のパフォーマンス」を秘める。ガレージに収める価値がある。
2位:ALPINE A110
往年のA110の雰囲気はそのままに2017年秋に復活したフレンチスポーツ。ミッドシップらしいシャープな身のこなしと安定性を持ちながら、乗り味は滑らか。室内の雰囲気も大きな個性。吟味した素材と巧みなデザイン処理で上質にまとめている。走り優先のライトウェイトとは別種の優れた日常性の持ち主。幅広いライフスタイルをカバーするモダンスポーツである。
3位:Aston Martin Vantage
どこか高貴な雰囲気のアストンのコンパクトサイズがヴァンテージ。WEC(世界耐久選手権)などで優勝するパフォーマンスをロードカーとして味わえる。引き締まった動きのなかに、気持ちが安らぐGTカーの要素も併せ持つ。賛否が分かれていたフロントマスクは、新たにヴェーンドグリルが選択できるようになった。トランスミッションは8速ATと7速MT。
4位:HONDA NSX
日本屈指のスーパースポーツである。3モーター+3.5リッター・V6ツインターボによるSHーAWDシステムは圧巻。前輪は左右独立した駆動力制御が鋭利なハンドリングを約束し、後輪の駆動力伝達も見事。驚異の旋回性能を実現した。速さも超一級。走行パフォーマンスは世界の最先端をいく。この未体験ゾーンはNSXでしか味わえない。時代が求める環境性能も素晴らしい。先日発表されたタイプSを最後に生産を終了してしまうのは、なんとも残念である。
5位:NISSAN GT-R
日本製スポーツカーの最高峰。デビューから14年が経過したが、いまだ性能はトップレベル。ともかく暴力的に速い。優れた基本設計と、着実なリファインの成果を実感する。ポテンシャルは300km/hオーバー。旋回性能も驚異的なレベル。一方で洗練度も確実に高められており、街乗り時のスムーズさも印象的。フィナーレは近いが日産が世界に誇る名車である。
(提供:CAR and DRIVER)