米バージニア州の2つの公的年金基金が、ビットコインやその他の暗号資産(仮想通貨)、暗号資産デリバティブを購入する投資ファンドに直接投資するようだ。11日、Bloombergが報じた。
報道によると、同州フェアファックス郡の警察官退職制度(PORS)とフェアファックス郡の従業員退職制度(ERS)は、それぞれの理事会から承認を得られた場合、Parataxis Capital Managementのファンドに5000万ドル(約55億円)を投資するという。
これまで2018年に、ERSは1000万ドル(約11億円)、PORSは1100万ドル(約12億円)を、モルガン・クリーク・キャピタル・マネジメントLLCの子会社であるモルガン・クリーク・デジタル・アセットが運用する「Morgan Creek Blockchain Opportunities Fund」に出資している。その翌年には、ERSが3000万ドル(約33億円)、PORSが2200万ドル(約24億円)を同ファンドに対し出資した。
また、今年初めには暗号資産ベンチャーBlockchain Capital社にも投資していたことが明らかになっている。投資の一部はビットコインなどの暗号資産に投資されたが、大半は技術系の新興企業に投資された。
しかし、今回は暗号資産に直接投資する目的であるという点で状況が異なる。
PORSの最高投資責任者であるKatherine Molnar氏はBloombergのインタビューで、「(私たちは)暗号資産は今後も変動するものと考えており、トレーダーにとっては良いことだと思っている」と語っている。また、「暗号資産業界に対する賛同と関心は高まっていくでしょう。現在の暗号資産はまだ非効率であるため、プラスアルファの機会があると考えています」と述べ、今後、暗号資産への投資をさらに増やす可能性に含みを持たせた。
PORSでは19億5000万ドル(約2,140億円)のうち2%のエクスポージャーを持っていたが、6月末には全体の7%が暗号資産で占めるほど割合が増加したという。
暗号資産はボラティリティが激しく、年金基金や財団などはリスク面を考慮して参入に踏み切れていない状況ではあるが、PORSの事例を受け今後増加する可能性があるだろう。(提供:月刊暗号資産)