24日、中国当局が暗号資産(仮想通貨)に関連する全ての取引と採掘(マイニング)を禁止すると発表した。中国人民銀行(中央銀行)や銀行、証券監督局、国家外為管理局など10省庁は“違法”な暗号資産の経済活動の一掃に向けて協力していくことを表明した。それを受け、暗号資産イーサリアム(ETH)の世界第2位の大手マイニングプールであるSparkpoolは、中国国内はもちろん、海外でのサービスにおいても業務を終了することを発表した。

世界2位のイーサリアムマイニングプールが全ての業務を停止
(画像=月刊暗号資産)

マイニングプールとは、各マイニングを行う人たち(マイナー)のハッシュパワーを集め、協力してマイニングを行うために作られた組織的なサービス。規模が重要なマイニングビジネスでライバルより報酬獲得確率を高くするため、複数のマイナーが協力してマイニングを行っていく仕組みだ。

中国・杭州を拠点とするSparkpoolはイーサリアムのマイニングプールとして総ハッシュレートの約20%を占め、世界第2位の規模を誇る。中国が暗号資産の取引活動に対する取り締まりを強化した結果、Sparkpoolに接続されているイーサリアムのハッシュレートは8%以上低下し、今後もその傾向は顕著に続くものと判断した格好だ。

Sparkpoolが中国本土在住者以外、海外に向けたサービスの提供を停止することは、中国の厳格な暗号資産取り締まり措置の一つの現れだ。

Sparkpoolは「ユーザー資産の安全性を確保した上で」9月30日からのサービス全面停止を発表した。閉鎖については追ってアナウンスを行う予定だ。

追随して、イーサリアムのハッシュレートの約10%を占めるF2Poolも中国へ向けたサービスを停止することが現地の暗号資産ジャーナリスト・Wu Blockchainによって判明した。アリババインターナショナルステーションがすべての暗号資産マイニングマシンの販売を禁止することも併せて伝えている。また、中国本土ユーザーが取引所の停止により資産を何者かに盗まれたと騒ぐなど、巷では混乱が見られることも伝えた。

イーサリアムはビットコインに次ぐ時価総額第2位の暗号資産だ。それを支えるマイニングプールの大手が閉鎖の動きを見せたことは今後の暗号資産の価格帯にも少なからず影響を及ぼすと言われている。発表時点では若干の下落で収まったが、5月に起こったビットコインのハッシュレート暴落を参考に考えると注意が必要だ。(提供:月刊暗号資産