暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの次世代ブロックチェーン「イーサリアム2.0」における初のアップグレード「Altair」が10月27日に実装される予定であることがわかった。28日、イーサリアム財団の研究者であるDanny Ryan氏が公式ブログで明かした。
Ryan氏によるとエポック番号74240での実装を予定しており、詳細な日時としては10月27日10:56:23am UTC(日本時間10月27日19時56分)を予定しているという。
同氏は今回のアップグレードについて、「ライトクライアントのサポートが追加され、ビーコンチェーンのインセンティブに関する会計処理がクリーンになり、バリデータのインセンティブに関するいくつかの問題点が修正され、EIP-2982が導入される」と説明した。
EIP-2982は、PoS(プルーフオブ・ステーク)が経済的に安全であることを保証するために、悪意のある攻撃に対する措置としてインアクティビティ・リークとスラッシングという懲罰的パラメータを導入するものだ。
Altairは昨年12月にローンチされたイーサリアム2.0における初めてのアップグレードとなる。
イーサリアム2.0はフェーズ0からフェーズ2.0まで4段階のアップグレードを予定しており、今回アップグレードで手が加えられるビーコンチェーンはバリデーターによるブロック生成を管理する重要なブロックチェーンとして位置付けられている。
なおAltairの実装については、10月4日に詳細な内容をブログ内で掲載予定としている。
イーサリアム2.0における最大の注目はコンセンサスアルゴリズムの変更だ。
現在、イーサリアムはビットコインなどと同様のPoW(プルーフオブ・ワーク)でネットワークが成り立っている。しかしPoWは多くの電力消費量を必要とするほか、大型マイナーの撤退などによりハッシュレートが急落するというリスクも抱えている。
先日にも、中国に拠点を置くイーサリアムの大手マイニングプール・Sparkpoolが撤退を表明し、ハッシュレートが落ち込んだ。(提供:月刊暗号資産)