米SNSの巨頭Facebookが27日、メタバースの実現に向けて今後2年間にかけて5000万ドル(約55億7,000万円)の投資を行うことを発表した。

同社は国際的な研究機関や政府、同業界の企業などをはじめとした各分野との協力を通じて責任あるメタバースの構築を目指すという。

Facebook、仮想空間の研究に5000万ドルの投資を発表
(画像=月刊暗号資産)

メタバースとは、オンライン上に存在する仮想空間のことを指す。ユーザーは3次元的に表現されたアバターとして、メタバース内で他のユーザーと交流し、様々な体験を共有することができる。

Facebookの発表によると、メタバースは一企業が単体で開発できるようなものではなく、「インターネットと同じように、Facebookの有無にかかわらず存在し続ける」ものだという。また、メタバースが十分実現するには10〜15年ほどかかる見込みであるというコメントも加えられた。

Facebookは、メタバースが時間をかけて実現されるものだからこそ、責任を持って構築に注力していく必要があるとの考えを示した。メタバースの実現を成功させるには、各企業のサービスに互換性が確保される必要があるほか、全てのユーザーを包括しエンパワーメントするために人権団体や公民権団体との協力が必要なのだという。

同社はメタバースを実現するにあたり、以下の領域で考えられるリスクを回避していくという。

  • 経済的機会
  • プライバシー
  • 安全性と統一性
  • 公平性と包含性

この領域で生じうる問題を解決するために、Facebookは今回「XR Programs and Research Fund」を設立し、2年間に渡り5000万ドルの出資を行う方針を表明した。同ファンドの初期パートナーは次の通りだ。

  • 学生やクリエイター、小規模経営者を支援する米国団体「Organization of American States」
  • アフリカの人々の声や物語を継承する「Africa No Filter」、「Electric South」、「Imisi3D」
  • ヨーロッパのVR、AR、MR分野を推進する女性や少数派団体のネットワーク「Women in Immersive Tech」等

Facebookは、今後もメタバースの開発に向けてパートナーを随時追加していく方針だという。(提供:月刊暗号資産