実力で富裕層になった人たちに対して、私たちは普通の人とは違う何か特別なことをしているように感じます。しかし実際に彼らが心がけ実行しているのは、シンプルなことばかりです。そのなかから、富裕層自身の言葉や、数多くの富裕層に接している人が感じている傾向、富裕層に関する研究データなどをもとに「富裕層がやっている5つのシンプルなこと」をご紹介します。
富裕層がやっていること1「とにかく話を聞く」
一つ目は世界的に有名な大富豪フェリックス・デニス氏自身が語っている富裕層がやっていることです。デニス氏は、イギリスの出版社デニス・パブリッシングの創設者。経済的に恵まれていなかった家庭からメディア王になった大富豪として知られます。
デニス氏は著書『本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて』のなかで、金持ちになるための方法を数多く語っています。
そのなかの1つが「たくさんの人と会い話を聞く」ことです。彼は「話を聞くというのは、起業家にとって、自信とねばり強さに次ぐ強力な武器である」と述べています。
話を聞かないことは学びをやめるのに等しい
なぜ、それほどまでに話を聞くことが大事なのでしょうか。デニス氏にとって話を聞くことは、時間潰してはなく学びなのです。話を聞かないことは、すなわち学びをやめるのに等しいというわけです。
ただ現実的に話を聞く時間は大半が「無駄になるだろう」とも彼は語っています。そして、無駄にならなかった部分こそが「あなたお金持ちにしてくれる」といいます。
ちなみに話を聞く相手は特定しなくてよいそうです。同じ会社や業界の人だけでなく、知らない人、儲け話を提案してくる人など、いろんな人と会って話を聞いたうえで精査していくことが大切とのことです。
富裕層がやっていること2「準備を整え機会を待つ」
前出のフェリックス・デニス氏のお金持ちになる方法から、富裕層がやっていることをもう1つご紹介しましょう。
いうまでもなく、その人が成功するか否かは運にも大きく影響されます。デニス氏は幸運の定義について「幸運とは、準備に機会を掛け合わせたものなのだ」と述べています。
さらに彼は自身の知見に加えて、古代ローマの哲学者や有名なプロゴルファーの言葉を引用して、成功するためには「準備を整えておくこと」が重要であると強調しています 。
忙しすぎれば運は逃げてしまう
デニス氏が準備にこだわる理由は「準備が整っていなければ、せっかくの機会もつかめない」からだといいます。さらに具体的に、「忙しすぎれば運は逃げてしまう」ともいっています。
これについては、ほとんどのビジネスパーソンに心あたりがあるのではないでしょうか。
日々の仕事に忙殺されていては、目の前に幸運があっても通り過ぎていきます。また、プライベートでトラブルに振り回されては幸運に気付きにくくもなります。
成功するためには仕事で結果を出すことも必要です。しかし、仕事に夢中になりすぎて周りが見えていなければ意味がありません。少し余裕のあるくらいのスケジュールを組んで、幸運にアンテナを張りましょう。
富裕層のやっていること3「レスポンスがとにかく早い」
次にご紹介したいのは、シンガポールと日本でファミリーオフィスを展開する岡村聡氏が世界の富裕層と接するなかでよく感じることです。
ファミリーオフィスとは、富裕層のなかでもとくに資産が多い一族に対し、弁護士、税理士、会計士などで編成されたチームで資産の管理・運用を行う会社のことをいいます。
岡村氏は著書『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』のなかで、富裕層の資産運用のアドバイスをしていて感じることとして「メールやメッセンジャーなどの返信の速さ」を挙げています。
彼らのレスポンスが早い理由については、富裕層ほど時間を無駄にするコストが大きくなるからと分析しています。
時間を可能な限り効率的に使う
ちなみに、岡村氏がコミュニケーションをとっている富裕層は、20代30代がとくに多いそうですが、 彼らのもうひとつの特徴として電話ではなくメッセージアプリ(シンガポールなど英語圏の都市のビジネスパーソンならフェイスブックのメッセンジャーや海外でシェアの高いワッツアップが多いとのこと)を駆使するという特徴もあるそうです。
若い富裕層は自分の時間を取られるのを嫌うだけでなく、相手の時間を奪うことも敬遠するため、よほど緊急の用事がなければ電話をしてくる人はいないそうです。
レスポンスが早いことも、電話嫌いということも根本は「時間を可能な限り効率的に使いたい」という意識の表れでしょう。
これは今この瞬間からでも私たちが真似できることです。時間の無駄づかいをしていないか振り返って改善してみましょう。
富裕層がやっていること4「有益情報には対価を惜しまない」
岡村聡氏は富裕層の特徴として「有益情報に対価を惜しまない」ことも挙げています。
そのひとつのエピソードとして紹介しているのが、投資銀行アレン・アンド・カンパニーが主催するカンファレンス(会議)です。
このイベントは、マイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏や、伝説の投資家ウォーレン・バフェット氏など世界に大きな影響を与える経済人・富裕層が一同に会するカンファレンスです。
岡村氏によると、アレン・アンド・カンパニーが主催するカンファレンスの参加料は百万円単位になるそうです。
この参加料を払ってでも世界中の有力な経済人、政治家、俳優などがこのカンファレンスに足を運びます。その理由については「有意義な人脈や情報を得られるのであれば対価を惜しまない」からだといいます。
身の丈にあった範囲で有益情報にお金をかける
しかし、私たちが有益情報を得られるからといって何百万円も払うのは難しいのが現実です。ただ身の丈にあった範囲内で「有益情報を入手するためならお金を払ってもいい」と考えてみてはいかがでしょう。
具体的には、ビジネスや資産運用の参考になる書籍の購入、有料の経済メディアへの課金、有料セミナーへの参加などが考えられます。
富裕層がやっていること5「投資について深く理解する」
アメリカの富裕層を40年間にわたって研究してきた故トーマス・J・スタンリー氏の知見や資料をもとに、その父の意思を継いだ娘サラ・スタンリー・ファラー氏が富裕層の共通項をまとめた本が「その後のとなりの億万長者」です。
この本なかでは、自力でミリオネアになった人たちの素顔(共通項)が数多く挙げられていますが、最も注目すべきは彼らが投資をしていることはもとより、70%の人が「自分たちは投資についてたいていの人よりもよく理解している」と答えていることです。
だからといって、彼らが投資で百戦錬磨というわけではありません。株を手放すのが早過ぎたことがあるという人が60%以上、ひどい株を手放すのが遅すぎたという人が73%もいます。
ここまでの内容を踏まえると、富裕層になる近道は「失敗を恐れず投資にチャレンジすること」といえます。ただ大事なのは投資すること自体ではなく、投資を学んだうえで(あるいは、投資を学びながら)することです。
そのほかの富裕層の共通項「よく働き、よく寝て、倹約を心がける」
ここでは富裕層のやっている5つのシンプルなことをご紹介してきました。
1. とにかく話を聞く
2. 準備を整え機会を待つ
3. レスポンスがとにかく早い
4. 有益情報には対価を惜しまない
5. 投資について深く理解する
もちろん、富裕層がやっていることはこのほかにも数多くあります。ご参考までに前出の「その後のとなりの億万長者」で取り上げていたミリオネアの傾向を列記しておきます。
・ 回答者の平均年齢は61歳だが80%がまだ働いている
・ 働いている時間は少し長め(平均的に週45時間働いている)
・ しっかり寝ている(一晩の睡眠時間は平均7.65時間である)
・ 高級車を選ばない(平均すると3万5,000ドルの車に乗っている)
これらの傾向が示すのは、富裕層はどこにでもいるような普通の人ということです。「よく働き、よく寝て、倹約を心がける」これが富裕層になるための王道なのかもしれません。
(提供:Dear Reicious Online)
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