世界的アパレル大手のGAPは12日、NFT(非代替性トークン)コレクションをローンチすることを発表した。「デジタルエクスペリエンス」をテーマとし、顧客はデジタルでGAPファッションを所有できる。今回のNFT発行には、暗号資産(仮想通貨)テゾス(XTZ)のブロックチェーンを採用している。
今回の新分野進出により、顧客がどのような関わり方を望んでいるのかを深く探っていくこともGAPはテーマとして掲げている。
今回発表するコレクションは、サボテンに似た猿のキャラクター「Frank Ape」の生みの親であるアーティスト・Brandon Sines氏とコラボした作品で、限定版のコレクションとなる。コミュニティ、創造性、自己表現といった要素がSines氏のコアバリューであり、ポジティブな姿勢と平等性という点でGAPの価値観と一致しているという。
Sines氏は「GAPとの提携により、Frank Apeのメッセージを表現しつつ、歴史においてもクラシックなブランドとコラボすることができた。非常にクリエイティブな仕事だ。世界中のGAPとFrank Apeのファンと共有できることが待ち遠しい」と述べる。
GAPの北米最高製品責任者兼ゼネラルマネージャーであるChris Goble氏も「GAPは常に音楽、芸術、文化の交差点に位置する。Sines氏のようなアーティストとのデジタル空間におけるビジネスに興奮している」と語った。
コレクションは「Common」「Rare」「Epic」「One of a Kind」と4種類を用意している。最も安価なCommonから順に販売を開始する。Commonの販売期間は日本時間の14日午前2時から16日午前1時59分まで。価格は2XTZ(記事執筆時点約1,000円)となる。Rareは15日に6XTZ、Epicは19日に100XTZ、One of a Kindはオークション販売となる。なお、RareとEpicは完全限定版が用意されている。
GAPは、NFTコレクションにXTZのブロックチェーンを採用した理由について、「地球にとってより適切で正しい行動をとる」ためとした。コンセンサスアルゴリズムとしてプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用するXTZのブロックチェーンは、ビットコインに代表されるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のようにコンピューターによる膨大な計算を用いたブロック承認を行わないため、エネルギー消費を抑えることが可能だ。
デジタル・テクノロジー部門の最高責任者であるJohn Strain氏は「顧客と永続的な関係を築くというミッションの一環として、当社のチームは常に革新的なことに取り組みます。私たちは地球に優しいブロックチェーン技術が私たちにもたらすことと、私たちが顧客とより強くむすばれることにつながる機会を得ることに興奮しています」と述べた。
Gapは今後もNFTコレクションを発表していく予定だ。(提供:月刊暗号資産)