最近、筆者が主宰する「Fund Garage」宛に問い合わせや相談が増えている。その大部分が実は個人投資家ではなく、現役のプライベートバンカー(以下、バンカー)や第一線で活躍する証券マン、あるいは銀行員といった業界関係者からだと言ったら驚かれるだろうか?

たとえば、個人投資家から寄せられる相談は直接的に「市場見通し」に関するものであり、これからの投資方針をどうしたらよいのか、といった内容が多い。一方、後者の現役の業界関係者からの相談は「お客様(超富裕層)にどう説明したらよいだろうか?」といった内容も多く含まれる。筆者はバークレイズのウェルス・マネージメント部門で、そのリサーチと商品関連にまたがるISSヘッドとして、バンカーたちが抱える数多くの悩みと向き合い、アドバイスを与えてきた経験がある。したがって、昨今の市場環境のように上下の変動が激しくなると、当然悩みを抱える業界関係者が増えるのも理解できる。