超富裕層との会話からは、実に学ぶべきところが多い。それがプライベートバンカー(以下、バンカー)の大きな特権の1つだと筆者は思っている。たとえば、筆者はバークレイズのウェルス・マネージメント部門で、そのリサーチと商品関連にまたがるISSヘッドを務めていた時代に、超富裕層から「ピンチはチャンスだと思いなさい」とのアドバイスを受けたことがある。
筆者のような凡人にとっては「ピンチはピンチ」でしかなく、あたふたしてしまうことが多いのだが、自ら一財を成した「成功者」でもある超富裕層は、マインドセットの1つからして基本的に違うと感心したものだ。恐らく成功者として現在の立場になられるまでに数多(あまた)の修羅場をくぐってこられた経験があるからこそ、「ピンチはチャンス」と言えるのだと推察する。