2022年4月19日、IMF(国際通貨基金)は2022年の世界における消費者物価の上昇率(インフレ率)が前年比7.4%に達する見通しを明らかにした。2021年10月に示した3.8%からの大幅な上方改定である。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱による需給の不均衡や、労働市場の人手不足、さらにウクライナ危機を背景とした商品・エネルギー価格の高騰などが影響するとの見立てだ。
世界的な広がりを見せるインフレ。そうしたなか、「インフレはオルタナティブ投資にとって悪いことではない」と主張する人物がいる。カナダのトロントを拠点とする世界有数のオルタナティブ資産運用会社、ブルックフィールド・アセット・マネジメントのブルース・フラットCEO(最高経営責任者)だ。米経済誌フォーブスが公表しているリアルタイム純資産によると、ブルース・フラット氏は2022年4月23日時点で46億ドル(約5,910億1,675万円)の純資産を有し「カナダのウォーレン・バフェット」とも呼ばれている。
後段で述べる通り、フラット氏がCEOに就任して以来、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの株式は配当込みで3,700%を超えるリターンを記録している。カナダのウォーレン・バフェットと呼ばれる所以であるが、その驚異的なパフォーマンスを叩き出す秘訣はどこにあるのだろうか?
今回はブルース・フラット氏の話題をお届けしよう。