
楽天銀行の口座ではつみたてNISAを始めることができませんが、同じ楽天グループである楽天証券の口座を開設することで始めることはできます。しかも、楽天証券は他の証券会社よりも取扱商品数やサービスが充実しているだけでなく楽天銀行がよりお得にメリットもあります。
ここでは、銀行と証券の両方の口座を開設するべき理由や楽天証券のつみたてNISAの特徴やメリット・デメリット、口座の開設方法などを解説します。
- 楽天銀行でつみたてNISAは利用できない
- 楽天証券でつみたてNISAを始めるべき理由
- 証券口座を開設するだけで楽天銀行の金利が100倍になる
- つみたてNISAの始め方・口座開設の手順
楽天銀行でつみたてNISAは始められないが...

楽天銀行の口座はつみたてNISAに対応していません。しかし、楽天証券ならお得につみたてNISAを始めることができます。楽天証券の口座を開設すれば、楽天ポイントで投資ができるなど、楽天経済圏の中でお得に投資を始められるのでおすすめです。
なお、楽天証券の口座開設や維持にかかる費用は無料で、インターネットや郵送で簡単に口座を開くことができるのでご安心ください。それでは、楽天証券のつみたてNISAの特徴について具体的に見ていきましょう。
楽天証券と楽天銀行の口座を保有するメリット
楽天証券と楽天銀行は、それぞれを連携させることによって多くのメリットを得ることができます。そのため、銀行か証券のいずれか片方の口座を持っているなら、もう片方の口座も開設するべきです。ここからは、それらの具体的なメリットについて解説していきます。
楽天証券を開設するだけで銀行の金利が5倍に
楽天銀行には「マネーブリッジ」と呼ばれる楽天証券との連携サービスがあり、口座を連携させることで銀行普通預金金利が5倍になるという特典が得られます。
2022年6月時点で、楽天銀行の普通預金金利は通常年0.02%(税引前)であり、一般的な大手銀行の金利0.001%(税引前)と比べると大変お得になっているのですが、マネーブリッジを活用することで普通預金金利が最大年0.10%(税引前)となり、大手銀行の100倍の金利という驚異的な数字を実現することができるのです。
また仮にマネーブリッジを使わない場合でも、楽天カードの引き落とし口座を楽天銀行にすれば金利が通常の2倍の年0.04%(税引前)になるという特典があり、証券に興味がない人でも特典を受けることが可能です。
マネーブリッジは楽天証券口座を開設してさえいれば適用されるため、必ずしも投資にチャレンジする必要はありません。そのため、楽天銀行を使うのであればとりあえず楽天証券の口座も作るという形にしておけば、簡単にメリットを享受することができるでしょう。
ただし、マネーブリッジによって金利が5倍になる上限額は300万円までとなっており、300万円を超えた分は年0.04%(税引前)になるので注意しましょう。
楽天証券・楽天銀行間の資金移動が楽で安心
証券と銀行の両方の口座を持つと「資金管理や移動が大変になりそう」と考える人も多いと思いますが、その点も心配ありません。
楽天銀行には「自動入出金サービス」というものがあり、例えば楽天証券での買い注文時に不足金額があった場合、自動で楽天銀行の口座から自動入金することが可能。さらに、証券口座にある資金は毎営業日夜間に銀行口座へ自動出金されるようになっているため、手間をかけずに金利優遇の特典を得ることができます。
さらにこうした出入金にかかる手数料は無料となっているため、両方の口座を持っても特に意識や行動を変えることなく、安心してそれぞれのサービスを利用できるでしょう。
ハッピープログラムでお得
楽天銀行ユーザー限定のポイントプログラムである「ハッピープログラム」を利用すれば、さらに追加の特典を得ることができます。
ハッピープログラムでは、「ベーシック」「アドバンスト」「プレミアム」「VIP」「スーパーVIP」という5種類の会員ステージがあり、ATM手数料の無料回数が増えたり、楽天ポイントの獲得倍率が増えたり、さらには振込手数料が楽天ポイントで支払えるようになったりするなどの特典を受けることが可能になります。
会員ステージは、「毎月25日終了時点の預かり資産残高」または「前月26日~毎月25日の対象商品・サービスの取引件数」で決定されるため、仮に預金額が少なかったとしても、サービスを積極的に利用しれいれば上位のランクを目指すことができるでしょう。
取引件数は、他行口座からの振込や楽天カードの口座振替、楽天証券の自動入金や宝くじの購入などで加算していくことが可能です。
つみたてNISA全銘柄のうち約85%が選択可能
金融庁のサイトによると、つみたてNISAの対象商品は213本(2022年4月時点)となっています。楽天証券のつみたてNISAの取扱商品は181本(2022年4月時点)ですので、85%近くの商品をカバーしていることが分かります。これは、つみたてNISAを取り扱う金融機関の中でもトップクラスの銘柄数を誇ります。
取扱商品が多ければ多いほど投資の幅が広がり、自分に適した投資商品を見つけやすくなります。気になる銘柄を自由度高く選びたいという方は、楽天証券のつみたてNISAがおすすめです。
月100円から始められる
楽天証券では、月100円からつみたてNISAを始められます。100円でつみたてNISAの投資信託を購入しても、少額投資なのでお金はあまり増えませんが、投資に慣れるという点では大きなメリットがあります。
はじめて投資をする時に、いきなり数万円から数十万円といった大きなお金を投資すると、値段の上下に焦ってしまい冷静な判断ができなくなってしまいがちです。しかし、100円投資なら大きな利益にはならない分、大きな損失にもならないので、冷静に投資商品の値動きを追えるのです。100円投資で投資の仕組みを理解し、慣れてきたところでまとまったお金を投資するといったように、リスクを下げながら運用することができます。
しかし、投資信託の基準価額という表示価格を見ると、おおよそ1万円前後の商品が多くみられます。100円から投資信託を購入できるというのに、表示価格は約1万円となっているのはなぜでしょうか。
投資信託の基準価額は、ファンドに組み入れられている株式などの時価総額を、保有者全体の口数で割ったものになり、基本的には1万口あたりの値段が表示されています。
口数とは投資信託の取引単位ですが、スーパーのパック売りの肉に例えると分かりやすいかもしれません。パック肉は100グラム90円、といった単価で販売されており、グラムあたりの単価は日々変動します。
投資信託も同じように、口数当たりの値段(基準価額)は日々変動しており、100円投資はそこから100円分だけ購入するということになります。パック肉のグラムあたりの単価が下がると、同じ値段でも多くお肉が買えるのと同様、基準価額が下がると、100円でもより多くの口数が購入できるようになります。
このように、基準価額が下がった時にも積み立てることで、長期的に平均買付け単価を下げながら投資ができるのも、100円から始められる少額投資のメリットになります。
ポイント投資できる
楽天証券のつみたてNISAでは、ポイント投資を行うことができます。楽天証券のポイント投資とは、楽天ポイントや楽天証券ポイントを投資信託の買付代金にあてることができるサービスです。日頃の買い物や投資で貯めたポイントで新たな投資ができるので、お得につみたてNISAにチャレンジすることが可能です。
1ポイント1円から利用することができ、楽天証券が取り扱うつみたてNISAの銘柄なら基本的に全てがポイント投資の対象となります(当初募集期間中の銘柄等一部銘柄は除く)。ダイヤモンド会員以外の場合、楽天ポイント投資のスポット購入における利用上限は以下の通りです。
- 1注文あたり3万ポイント
積立注文なら1日あたり3万ポイント
1ヶ月あたりの上限は10万ポイントなお、楽天証券ポイントの利用上限はありません。
ポイント投資は他の金融機関でも実施しているところがあります。代表的なものとしては、SBI証券のTポイントやPontaポイント投資、auカブコム証券のPontaポイント投資などがあげられます。日頃よく使用しているポイントで投資ができるつみたてNISAを選ぶのも、投資をお得にする上で大切な点と言えるでしょう。
楽天カード保有者はさらにお得
楽天証券のつみたてNISAでは、楽天クレジットカード決済が可能です。毎月5万円までなら、投信積立の引落方法を楽天クレジットカード決済にすることができる仕組みで、決済額に応じて楽天カードに楽天ポイントが付与されます。
ポイント還元率は1.0%、つまり100円につき1ポイントが付与されるのでお得です。楽天カード決済でポイントを貯めて、そのポイントで投資を行うということも可能になります。なお、SBI証券でも三井住友カードによるクレジットカード決済に対応していますが、通常の三井住友カード(NL)の場合はポイント還元率が0.5%となります。三井住友カードゴールド(NL)ならポイント還元率が1.0%といったように、カードの種類によってポイント還元率は異なります。
楽天証券と楽天銀行の口座を保有するデメリット
さまざまなメリットがある楽天証券と楽天銀行それぞれの口座保有ですが、例えばマネーブリッジの優遇金利が2022年4月に改悪されてしまうなど、デメリットとなる要素もないわけではありません。ここからは、それぞれの口座を保有するデメリットについて見ていきましょう。
- 楽天証券も楽天銀行も店舗がない
- ネットワーク障害があると利用できない
- パスワードを両方とも記憶しないといけない
楽天証券も楽天銀行も店舗がない
楽天の両サービスは、実店舗を持たないネット専用のサービスです。そのため、実店舗がある銀行のように、行員に直接質問をしたり相談をしたりといったことができません。何か疑問や不明点があった場合、基本的には自分の力で解決しなければならず、人によってはそれがデメリットと感じることもあるでしょう。
しかしその一方で、実店舗を持たないからこそ、その他のサービスを充実させることができているという側面もあり、特に株式の取引手数料の安さなどは、ネット専用サービスだからこそ実現できている数字と言えます。
ネットワーク障害があると利用できない
ネット専用サービスであるがゆえに、ネットワーク環境が整っていなければ利用できないという点も、代表的なデメリットと言えます。自身のネットワーク環境はもちろん、楽天側のネットワークも正しく機能していてこそ、サービスを利用することができるのです。
近年はネットワークに対する取り組みも手厚くなっており、滅多に起こることではないとは思いますが、万が一ネットワーク障害などが発生してしまうと自身では手の打ちようがなく障害の回復を待つしかありません。
また障害でなくとも、定期的なシステムメンテナンスで利用できない時間が出てくるものなので、ネットでいつでもできるからと言って油断しないようにしましょう。
パスワードを両方とも記憶しないといけない
ネット銀行全般に言える話ですが、各種サービスを利用していくためには、IDやパスワードを入力して、マイページにログインしなければなりません。このログインIDやパスワードを覚えなければいけないのも、デメリットの一つと言えるでしょう。
特に楽天証券と楽天銀行それぞれで口座を持っていれば、それぞれにログインIDとパスワードが必要になりますし、セキュリティのことを考えれば同じや似た内容のID・パスワードを使うのも避けたいところです。
また、万が一パスワードを忘れてしまった場合、新しいパスワードを発行しなければならなくなることもあり、こうした手間の部分は、避けては通れない問題となっています。
楽天証券の口座を開設する方法は?
最後に、楽天証券の口座開設の方法について解説していきます。
1.HPにアクセスし、口座開設ボタンを押す
楽天証券の口座開設はとても簡単です。まずは楽天証券のホームページにアクセスし、画面内にある「口座開設ボタン」を押します。
次の画面で、楽天会員かそうでないかを聞かれるので、それぞれ自身の状況に合ったものを選択しましょう。どちらを選択してもメールアドレスの入力画面になるので、迷う必要はありません。
そして続く画面でメールアドレスを入力すれば、このページでの操作は終了です。
2.メール記載のURLにアクセスし、本人確認書類を提出
入力したメールアドレスに楽天証券からメッセージが届くので、今度はそこに記載されているURLから進み、操作を進めていきます。
ここでは本人確認書類の提出が必要になりますので、運転免許証かマイナンバーカード、もしくは健康保険証やパスポートといった書類を用意しておきましょう。
あとは画面の指示に従って、スマホであれば書類を撮影してアップロード、パソコンであればデータをスキャンしてアップロードすることで、本人確認書類の提出は完了です。
3.名前や生年月日、追加サービスなどの基本情報を入力する(楽天銀行の口座開設も可能)
本人確認書類の提出が完了すると画面が切り替わるので、今度は基本情報を入力していきます。
ここでは、名前や生年月日、口座種別や追加サービスといった情報を登録できるのですが、基本的には画面の指示に従って選択・入力していくだけで問題ありません。
一点、この楽天証券の口座開設のタイミングで楽天銀行の口座を保有していない場合、追加サービスの選択の中で、上記のような銀行口座の申込を同時に行えます。まだ楽天銀行の口座を持っていない場合は、ぜひこのタイミングで開設しておきましょう。
これら基本情報の入力が完了すれば、楽天証券の口座開設の手続きは終了です。
その後は楽天証券側で審査が行われ、無事通過すれば案内が届き、そこから楽天証券を利用できるようになります。