不動産というと安くても数千万円、高いものだと億単位の価格で取引されるものだというのが一般的な認識でしょう。しかし、不動産業界には数百万円、もしくはそれ以下の価格で買える激安物件があります。                                           バブル期に開発されたリゾート地や郊外の「限界ニュータウン」と呼ばれる住宅地、大都市であっても不人気エリアにある築古物件など、「不動産は高いもの」という常識を覆すような激安物件が存在します。

不動産の価格は需給で決まるため、安いということは誰も見向きもしないような物件であることが大半です。しかし、人によってはそんな物件であっても利用価値があるかもしれません。今回は、激安不動産物件の世界を案内しましょう。

不動産市場には信じられない激安物件がある

数百万円で不動産が買える?激安不動産物件の世界を案内
(画像=hirota/stock.adobe.com)

少なくとも数千万円はするのが普通だと思われている不動産の世界に、なぜ激安物件があるのでしょうか。数百万円で購入できる戸建て住宅や中古マンションはそれほど珍しくはありませんが、なかには関西地方の「限界ニュータウン」といわれる茨木台では150万円で土地付きの戸建て住宅が買えたという事例もネット紹介されています。

この事例で紹介されている150万円も破格ですが、激安物件の中には「無料」や数万円、数十万円といった価格で売りに出されている物件も存在します。

こうした物件は特殊なものではなく、「アットホーム」や「スーモ」といった不動産ポータルサイトでも1,000万円以下、500万円などの条件で検索すると激安物件を簡単に見つけることができます。

なぜ激安で不動産が売られているのか

こうした激安物件が激安であることには、必ず理由があります。どんな物件が激安で売られているのか、激安になりやすい物件のパターンを紹介します。

1 限界ニュータウン

バブル期に全国各地で開発されたものの、山間部にある場合が多く不便であることから不人気となり、維持が困難になった所有者が激安で売りに出している事例が多く見られます。

2 廃墟化したリゾート地

上記の限界ニュータウンと同じくバブル期には全国各地でリゾート開発が活発に行われました。しかしリゾートブームの終焉や人気エリアの変遷、さらには2020年に端を発したコロナ禍などが追い打ちをかけて廃墟化し、タダ同然で売りに出されているケースがあります。

3 不人気エリアの築古物件

大都市圏であっても交通アクセスの悪さや治安への懸念などから不人気になっているエリアは多数あります。そんなエリアの築古マンションや築古戸建て住宅の中にも激安物件は多数あります。

4 相続物件

相続によって取得したものの、相続人にとっては遠隔地であったり、すでにマイホームがあるので所有する必要がない場合など、相続人の意向によって激安で売り出されることがあります。この場合は物件の売却で利益を上げようとは思ってないことが多いため、ニーズとうまくマッチすればお値打ちで激安物件を購入できる可能性があります。

以上の4つが激安物件として流通しやすい主なパターンです。人口が減少している一方で不動産の供給は続いていることからも、今後も激安物件は増えていく可能性のほうが高いでしょう。

激安不動産の探し方

激安不動産に興味がおありの方に向けて、激安不動産の探し方を紹介します。4つめに紹介している地元不動産業者への問い合わせ以外はすべてネット上で行うことができるので、とても簡単です。

不動産ポータルサイトで探す

先ほど紹介した「アットホーム」「スーモ」といった不動産ポータルサイトには、価格帯を検索条件に加えて物件の検索ができる機能があり、「500万円以下」「1,000万円以下」といったように上限価格を設定して検索すると激安物件を簡単に探すことができます。中古マンションと中古戸建て住宅の両方で探すことができるので、目的に応じて検索してみてください。

不動産投資物件の検索サイトで探す

上記の不動産ポータルサイトに加えて投資物件を専門的に取り扱っているサイトでも激安物件を探すことができます。例えば「不動産投資★連合隊」というサイトには「300万円以下」のカテゴリーがあるので、こうした条件を設定して簡単に探せます。

もちろん、投資物件として売られているものであっても空き家であれば自分が住むこともできますし、逆に投資物件として売られていない物件であっても賃貸住宅として活用することもできます。

激安物件専門サイト探す

近年増加している激安物件の流通ニーズに応える形で、ゼロ円物件や激安物件の情報を取り扱っている専門サイトがあります。

「みんなの0円物件」というサイトは、サイト名のとおり0円で手放したい物件オーナーと、0円なら取得したいと思う人のマッチングを行うサイトです。物件を使用する予定がなく、所有しているだけでもコストがかかることを嫌ったオーナーから、無償で不動産を譲り受けることができます。

「Sumai空き家」というサイトは、格安の空き家や古民家の売買を支援しています。数万円から数十万円程度でたくさんの物件が売りに出されているので、こうした情報の中から激安物件を探すことができます。

地元で営業している不動産業者に聞く

不動産業者には大手と地域密着型の大きな分類があります。地域密着型の不動産業者は地元の有力者や地主などとの太いパイプを有していることが多く、大手でも知り得ないような売却物件情報に出会えることがあります。

特に、相続によって取得したものの売却したいと考えているような物件情報が集まりやすいので、対象となる地域の地場で営業している不動産業者に相談してみるのも有効な方法です。

激安物件で不動産投資は可能?

激安で購入した不動産を投資物件にすることができれば、購入価格が安いだけに高い利回りが期待できそうですが、その可能性はどうなのでしょうか。

結論として、もともと買い手がつきにくいことが激安の理由なので、購入してそのまま賃貸に出したとしても集客は難しいでしょう。立地条件がそれほど悪いわけではないのに築古であったり物件の状態が悪いことで激安になっている物件であれば、リフォームやリノベーションなどによって価値を再生すれば投資物件として活用できる余地はあります。

限界ニュータウンや廃墟化したリゾート地などは立地条件があまりにも不利なので、最終的には自分が利用するといった前提がなければ、安易に買わないほうが賢明でしょう。

まとめ

本記事では激安物件の世界を案内してきました。これらの情報に触れて、激安物件はモノ好きの人たちの世界であり、半ばジョークに近い世界だと感じた方もおられると思います。激安だけに購入して活用できなかったとしてもリスクは低いので、購入費用を無駄にしてしまったとしても許容できるのであれば、検討の価値があると思います。

不動産投資の世界には、こうした激安物件を購入して活用する「ボロ物件投資」というジャンルがあります。ボロ物件投資を成功させるには特有のノウハウがあるので、興味がある方はボロ物件投資に参入している不動産投資家のサイトやブログなどで情報収集してみると面白いかもしれません。

(提供:Incomepress



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