この記事は2022年7月29に「月刊暗号資産」で公開された「FTX US、株式取引サービスの提供を開始」を一部編集し、転載したものです。
米暗号資産(仮想通貨)取引所FTX USが28日、株取引サービスを開始した。FTX USの取引プラットフォームには株式の項目が追加され、取引が可能となった。株式とETF(上場投資信託)をモバイルアプリおよびパソコンで取引することができる。
28日、同取引所CEOのバレット・ハリソン(Brett Harrison)氏もTwitterで、「FTX USは全50州で株式取引サービスを提供する」とツイートした。
同社はロビンフッド(Robinhood)と同じように、取引手数料は無料にするという。暗号資産やNFT(非代替性トークン)の取引だけでなく、株式が加わったことで、同社が目指す「総合的な投資サービス」にまた一歩近づいた格好だ。
ハリソン氏は米CNBCのインタビューで、「FTXの既存ユーザーは、基本的に暗号資産に興味がある。私たちが株式取引サービスを始めたら、どれくらいの既存のユーザーが株式取引に関心を示すのか非常に興味深い。また、新規ユーザーがどれくらい増えるのかも気になる。直感的なユーザーインターフェイスを通じて暗号資産、NFT、株式取引を簡単に取引ができる個人投資家のための総合プラットフォームが完成した」と述べ、自信を覗かせた。
FTX USは今年5月、米国の一部ユーザーを対象に株式取引機能のテストを始めていた。株式市場への進出のため、6月には株式の清算、決済サービスを手掛けているエンベデッド・ファイナンス・テクノロジー(Embedded Financial Technologies=EFT)を買収し、機能強化も図っている。EFTはフィンテック、ブローカー、ディラー、銀行、信託会社向けに証券執行、清算、決済、カストディに関するAPIを提供している。
ETFの創業者でCEOのマイケル・ジャイルズ(Michael Giles)氏は、「同社はFTX USと同様の文化をシェアしている。FTXとEFTが組むことで、顧客に株式証券と暗号資産のソリューションをもたらすだろう」と述べていた。
また、FTX USの親会社であるFTXはロビンフッドの買収を検討していると報じられている。
暗号資産業界で影響力を放っていたFTXだが、今後は株式においても注目を集める存在になる可能性があるだろう。(提供:月刊暗号資産)