この記事は2022年8月9日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコイン、一時2万4000ドル超えるも米CPI発表控え様子うかがう展開」を一部編集し、転載したものです。


ビットコイン
(画像=TK6/stock.adobe.com)

ビットコイン(BTC)は8日に一時2万4,000ドル(約324万円)を超えた。ビットコインの上昇に連動して、イーサリアム(ETH)も1,800ドル(約24万3,000円)を超えている。

一方で、重要指標の発表前には利益確定の売りが入る傾向が続いている。10日の米CPI(消費者物価指数)発表に向け、記事執筆時点ではビットコインが2万3,000ドル台後半、イーサリアムが1,700ドル台後半と上値を抑えられている状況だ。

今週は10日の米CPIが最大の材料として注目が集まっている。先週末に発表された米国の7月雇用統計は市場予想とは大きく乖離していたが、株式市場への影響は限定的であった。強い雇用統計を受け、利上げ懸念が広がり米株式市場は下落したものの、それも一時的であったと言える。

その要因として、9月20日、21日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)まで時間があることが挙げられる。

パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は、次回の利上げ幅は「経済データ次第」と述べている。次回FOMCまでに8月の雇用統計やCPIのデータを慎重に見極め、金融引き締めの判断を行う。

8日の米株式市場もCPIの発表を控え、慎重な動きを見せた。NYダウ平均は前日比29.07ドル増(0.08%)の32,832.54ドル、ナスダックは前日比13.10ポイント安(0.10%)の12,644.46ポイント、S&P500は前日比5.13ポイント安(0.12%)の4,140.06ポイントで終えている。

暗号資産(仮想通貨)市場においても軟調な動きが見られつつあるが、Bloombergのシニア・コモディティ・ストラテジストであるマイク・マクグローン(Mike McGlone)氏は「ビットコインが10万ドルに達するのは時間の問題だ」と強気の姿勢を見せる。

同氏によれば、2022年後半にかけて原油価格は下落傾向にあり、それは世界的なデフレを示唆するものであるという。こうした状況から、FRBは利上げを停止するだろうと予測している。(提供:月刊暗号資産