この記事は2022年10月4日に「月刊暗号資産」で公開された「テザー社CTO、USDTの準備資産における58%が米短期国債であると明かす」を一部編集し、転載したものです。
米ドルに裏付けられたステーブルコイン・USDTを発行する米テザー(Tether)社のパオロ・アルドイノ(Paolo Ardonio)CTOは3日、TwitterでUSDTの準備資産を公表した。
今年9月末時点のUSDTの裏付けとなる準備資産は、米短期国債(Treasury Bills)が58%以上を占め、6月末に公表した43.5%から上昇した。また、コマーシャルペーパー(CP)は5,000万ドル(約72億円)以下であるという。
テザーは今年8月時点でコマーシャルペーパーの保有額を200億ドル(約2兆8,900億円)から85億ドル(約1兆2,300億円)まで減らしたと発表している。今後、年内までにコマーシャルペーパーの保有量をゼロにする方針だ。
テザー社では過去にUSDTの準備資産について、実際には全額保有していないなどの懸念があった。こうした背景もあり、昨年5月よりUSDTの準備資産の内訳を四半期ごとに公開している。
初めて準備資産を公開した際の現金及び現金同等物が占める割合は75.85%で、さらに同カテゴリーにおける占有率ではコマーシャルペーパーが65.39%を占めていた。今年8月発表時点では現金及び現金同等物におけるコマーシャルペーパーの占有率が15.89%まで削減されている。今回のアルドイノ氏の発表を受け、同項目の占有率がさらに削減していることがうかがえる。
また、USDTの監査はこれまでケイマン諸島の会計事務所Moore CaymanとMHA Caymanが担当していたが、今年8月からは世界第5位の会計事務所であるBDOインターナショナルに委託先を変更している。
今後、テザー社はUSDTの準備資産に関する報告を四半期ごとではなく、月次に切り替えることを予定している。(提供:月刊暗号資産)