この記事は2022年10月26日に「月刊暗号資産」で公開された「SBIが米大手取引所Cboeと覚書締結 デジタル資産の取引や商品開発で協業へ」を一部編集し、転載したものです。
SBIホールディングス株式会社は25日、米大手オプション取引所の1つであるCboeを運営するCboe Global Markets,Inc.傘下のCboe Bats, LLCと覚書(MOE)を結んだことを発表した。両者は株式やデジタル資産の取引・商品開発で協業していくという。
Cboeは米国3大取引所の1つで、市場インフラと市場で取引される様々な商品を提供している。また、北米、欧州、アジア太平洋地域で株式、デリバティブ、デジタル資産、FXなど複数のアセットクラスのトレーディングソリューションと商品の提供を行っている。
昨年7月には、PTS(私設取引システム)運営会社のチャイエックス・ジャパン(Chi-X Japan Limited)を買収してCboe Japan Limitedと社名変更し、日本のPTS運営事業に進出した。
SBIは日本最大のPTS運営会社であるジャパンネクスト証券株式会社の主要株主となっている。また、近年ではセキュリティ・トークン(ST)など分散型台帳技術を活用した金融サービスの提供や、STの発行から流通、カストディに係る機能の提供を目指すなど、デジタル金融領域での事業を加速度的に展開している。
昨年4月には三井ファイナンシャルグループと、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)の運営会社を設立。今年6月に開業を発表した。ODXはデジタル証券取引所として、2023年中にセキュリティトークン等を取扱う予定だ。
SBIの代表取締役会長兼社長である北尾吉孝氏は発表で「Cboe社とSBIグループは、金融業界の改革をリードしてきたことや先端テクノロジーを活用したデジタル金融分野に積極的に進出してきたこと等、共通点が多いと認識しています。両社の化学反応により、日本の金融市場に新しい変化をもたらすことで規制改革を促し、日本の投資家、特に個人投資家の利益に資する取り組みができるものと考えており、ひいては『貯蓄から投資へ』という日本の積年の社会課題解決への貢献も期待しています」と語った。
また、Cboe社の取締役会長兼CEOであるエドワード・テイリー(Edward T.Tilly)氏は、「機関投資家がデジタルアセットという新たな資産クラスを十分に享受できるよう顧客目線のソリューションを提供し、透明性と規制遵守という取引所の原則に基づいて運営されるデジタル資産取引所・クリアリングハウスであるCboe Digitalを通じた我々のデジタルアセットへの進出はSBIグループの同分野の商品とサービスを提供するためのグローバルネットワークを拡大させる機会をもたらします」と述べた。
その上で、SBIとの提携により東京証券取引所への競争力を高めることが可能となるとの認識を示している。(提供:月刊暗号資産)