この記事は2022年12月23日に「月刊暗号資産」で公開された「FTX元CEOサム氏、過去最大規模となる約330億円で保釈」を一部編集し、転載したものです。
米ニューヨーク州市マンハッタンの連邦地裁・連邦判事は22日、先月破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの元CEOであるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)被告の保釈を認めると発表した。
裁判官が設定した保釈金は2億5000万ドル(約330億円)で、連邦検事補ニコラス・ルース(Nicolas Roos)氏によれば、サム氏に保釈金は「過去最大級」であるという。その上で、ルース氏は「彼は壮大な規模の詐欺を犯した」と述べた。
連邦地方裁判所は保釈金の支払い加え、米西部カリフォルニア州パロアルトにある両親の自宅での拘束や保釈期間中の監視に用いる電子ブレスレットの装着、パスポートの引き渡し、そしてメンタルヘルスおよび薬物乱用の治療などを義務付けた。このほか、新たなビジネスを開始することや1000ドル(約13万円)を超える金融取引を禁じている。
サム被告の保釈金は両親が自宅を担保に入れて用意したという。同被告は両親の自宅から出ることを許可されていないが、法的手続きと運動する際のみ自宅を離れることが可能になるようだ。
サム被告は今月21日にバハマから身柄引き渡しが許可され、同日にもニューヨークに到着したものとみられる。ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所によれば、サム被告は詐欺、マネーロンダリング、選挙資金違反の告発など8つの罪に問われており、全てが有罪になった場合、最大で100年以上の実刑が課せられる可能性がある。
FTXの詐欺行為に加担した疑いでSEC(証券取引委員会)から告訴されている同社の共同創業者兼元CTOのゲイリー・ワン(Gary Wang)氏、同社関連投資会社アラメダ・リサーチ(Arameda Research)の元CEOであるキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏はすでに罪を認めており、現在捜査に協力している。2人の罪状認否の裁判は後日行われている予定であるようだ。(提供:月刊暗号資産)