丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

別荘を持つことは、多くの人の憧れでしょう。トレンドになっている人気の別荘地には、どのような魅力があるのでしょうか。近年人気の別荘地から今後人気が高まると予想される別荘地まで、人気別荘地の最新トレンドを解説します。

目次

  1. 全国に別荘はどれくらいある?
  2. 近年トレンドの国内・海外別荘エリアが人気になっている理由とは
  3. 人気別荘地の価格相場はどれくらい?
  4. これからトレンドになりそうな国内外別荘地はどこ?
  5. 別荘を持つデメリットも知っておこう
  6. 今後のインバウンド需要はどうなる?

全国に別荘はどれくらいある?

人気別荘エリアの最新トレンドを解説!価格相場やこれから人気が出そうなエリアも紹介
(画像=2ragon/stock.adobe.com)

別荘は全国にどれくらいあるのでしょうか。総務省統計局が公表している「平成30年住宅・土地統計調査特別集計」によると、別荘を含めた二次的住宅(セカンドハウス)は全国に38万1,000戸あります。そのうち別荘の数は26万800戸です。二次的住宅は定住者がいないことから統計上は空き家扱いになるため、実際にどれくらいの人が別荘を利用しているかは不明です。

2020年からの新型コロナウイルス感染拡大の影響でリモートワークが増え、別荘も注目を浴びています。出勤が不要であれば、環境の良い別荘で集中して仕事をするのも新しいワークスタイルといえるでしょう。以前のようにレジャーや保養目的だけではない、新たな別荘の需要が生まれる時代になったのです。

近年トレンドの国内・海外別荘エリアが人気になっている理由とは

流行が大きく変わるファッションと違い、人気別荘地のトレンドは比較的安定しています。人気の国内・海外別荘エリアは、どのような理由で支持されているのでしょうか。

国内の人気別荘地

国内別荘地は内陸部や海沿いを問わず、幅広いエリアが人気になっているのが特徴です。

軽井沢

国内を代表する別荘地といえば、軽井沢です。平均気温が低いことから、避暑地の代名詞的エリアになっています。新幹線で東京駅から片道1時間強と、手軽に出かけられる交通アクセスの良さが魅力です。森に囲まれたロケーションの良さから結婚式を挙げられる施設が多いのも特徴で、商業施設やレストランも充実しており、利便性が高いのも人気の理由です。

伊豆・熱海

昭和の時代から温泉旅行の定番エリアとして人気が高いのが、伊豆・熱海です。都心から新幹線などを利用して短時間でアクセスできるので、セカンドハウスに適しています。温泉が豊富にあるので、別荘に宿泊して温泉巡りをするという楽しみ方もできるでしょう。

また、伊豆にはレジャー施設が豊富にあるため、テニスやマリンスポーツで汗をかいて温泉で疲れを癒すなど、アクティブ派の人にも魅力あるエリアです。

那須

内陸部の代表的な別荘地で、東京駅から新幹線で約1時間10分とアクセスも良好です。温泉がある他、りんどう湖ファミリー牧場や那須ハイランドパークなど家族で楽しめるレジャー施設もあるため、家族向けの別荘地を探している人にも適しています。また、皇室の御用邸があることでも知られています。

箱根

温泉地として知られる箱根は、別荘地としても人気があります。箱根湯本には多くの温泉宿があり、宮ノ下はレトロな建物が多く、懐かしい風情を味わえます。大涌谷や仙石原などで大自然の景観を楽しめる一方で、美術館や博物館などレジャー施設も豊富で、いろいろな楽しみ方ができるのも人気の理由です。

ニセコ

雄大な大自然を満喫できる北海道のニセコも人気のあるエリアです。スキー場としても有名なエリアなので、スキーやスノーボードを楽しみたい人には最適な別荘地といえます。ニセコは冬だけでなく、夏は乗馬や牧場散策など、広大な北海道ならではのレジャーを体験できるのも人気の理由です。

海外の人気別荘地

海外の別荘地の人気トレンドは、海沿いの景勝地です。一方、セレブを中心にビジネス都市を別荘地として利用する人も増えています。

ハワイ

海外の別荘地として王道的な人気を誇るのがハワイです。ハワイは日本人観光客も多いことから日本語が通じる施設が多く、言葉の壁がないため安心感があります。常夏といわれる温暖な気候で、夏だけでなく年末年始も過ごしやすいことから、別荘としての利用価値が高いのも人気の理由です。食事も日本食店が豊富にあるので、利用しやすいでしょう。

バリ島

神秘の島と呼ばれる人気の別荘地で、神秘的な寺院や遺跡、世界遺産になっている棚田などが見どころです。高級ホテルやショッピングモールもありますが、全体的に非日常的な世界観を味わえるのが人気の理由です。他の島ではグアム島、セブ島も人気があります。

マイアミ

マイアミのある米国フロリダ州は多くのハリウッドスターが別荘を所有するエリアで、セレブが集まるリゾート地という印象があります。冬でも温暖な気候で、クルーザーで周遊する、ショッピングやグルメを楽むなど、活動的に利用できるのが支持される理由です。

ゴールドコースト

サーファーに人気の別荘地が、オーストラリアのゴールドコーストです。サーファーの聖地と呼ばれていることから、サーフィンを目的に別荘を購入する人が多いです。レストラン、カフェ、ショップ、ナイトクラブ、カジノなど時間帯に応じて楽しめる施設が豊富にあり、日本との時差が1時間というのも魅力です。マリンスポーツ派には最適な別荘地といえるでしょう。

シンガポール

国際ビジネス都市として知られるシンガポールも人気があります。セントーサ島など海沿いの景勝地も人気ですが、ユニバーサルスタジオやカジノなどのレジャー施設も充実しています。世界中からビジネスパーソンが集まるため、ブランドショップなどが目抜き通りに立ち並んでいます。レジャーとビジネスの二刀流で使えるのが人気の理由です。

人気別荘地の価格相場はどれくらい?

別荘の購入を検討している人は、人気別荘地の価格相場がどれくらいなのかも気になるところでしょう。不動産テック企業の株式会社プライスハブルジャパンが発表した「人気別荘地1平米あたりの価格ランキング」(2022年9月22日発表)によると最も価格が高いのは葉山町で、1平米あたり41万円です。皇室の御用邸もある風光明媚なエリアであり、ややセレブなイメージが強い別荘地です。

2位は人気別荘地軽井沢町の28万7,000円で、20万円を超えるのはこれら2ヵ所のみです。軽井沢に別荘を持つ場合の平均価格が100㎡換算で2,870万円ですので、購入が難しいレベルではありません。3位以下にランキングされた別荘地であれば100㎡換算で2,000万円以下なので、別荘を持つことも夢ではなさそうです。

ただし、あくまでセカンドハウスなので、どの程度利用するのかなど、費用対効果を考えて購入を検討したほうがよいでしょう。

これからトレンドになりそうな国内外別荘地はどこ?

人気エリアに別荘を持つのもよいですが、これから人気が出そうなエリアに注目してみるのも面白いかもしれません。先々のトレンドを考えて、注目すべき国内・海外別荘地を見ていきましょう。

これから人気が出そうな国内別荘地

これから注目されそうな国内別荘地は京都です。京都は観光地として特に外国人旅行客に人気ですが、別荘地というイメージはあまりないかもしれません。京都は外国人にとって日本情緒を味わえるエリアでもあり、すでに中国人が別荘として京都の日本家屋を購入する動きが見られます。

リニア中央新幹線が大阪まで全線開業すれば、停車駅として有力視される奈良からの乗り換えによって、京都は時間的に遠い場所ではなくなるのも人気が出そうな理由です。

これから人気が出そうな海外別荘地

海外別荘地で注目したいのはカナダです。2026年のFIFAワールドカップは、米国、カナダ、メキシコの共同開催となります。そのため、これまで以上にカナダが注目を浴びるようになるでしょう。カナダに別荘を持っていれば、別荘に宿泊してワールドカップを現地で観戦するプランも立てられます。

その他、カナダにはカナディアンロッキーを始め雄大な景観を楽しめるエリアが豊富にあるので、自然派の人にとって魅力ある別荘地といえます。

別荘を持つデメリットも知っておこう

別荘は魅力的ですが、すべてがバラ色というわけではありません。別荘を持つデメリットも把握した上で購入を検討する必要があります。

最大のデメリットは、家屋のメンテナンスが難しいことです。使用するのが年に数回であれば、家屋が劣化しやすくなります。賃貸用の別荘は別として、自分が利用するための別荘なら管理人を置くのはコスト的に合わないでしょう。

また、定住者がいないため空き巣被害が考えられる他、雪の多いエリアでは屋根や外壁、デッキなどが傷みやすくなる上、家屋が劣化すれば資産価値が下落します。

これらのデメリットを踏まえると、別荘を不動産投資として考え、自分が使う日以外は人に貸して賃料を得るのもよいでしょう。

今後のインバウンド需要はどうなる?

別荘を投資として考える場合は、国内需要だけでなくインバウンドによる外国人の利用にも期待したいところです。日本では2022年10月11日に入国制限が撤廃され、訪日外国人が徐々に増えています。

今後さらにインバウンド需要が増えるかどうかは、過去の訪日外国人旅行客において圧倒的な数を占める中国人の動向にかかっているともいえるでしょう。

中国はゼロコロナ対策の影響で、海外渡航が難しい状況にありました。住民の抗議行動をきっかけに中国がゼロコロナ政策を変更し、禁止していた海外旅行を2023年1月8日から再開することになったのは大きな変化です。しかし、感染が拡大している中国から旅行客を受け入れると、日本は大きなリスクを負うことになります。

岸田首相は中国本土からの入国者全員を対象にした入国時のウィルス検査を実施することを発表し、2022年12月30日午前0時から開始しています。

引き続き新型コロナウイルスには注意が必要ですが、世界的に経済活動は正常に戻りつつあります。訪日外国人数がコロナ禍以前の水準に近づけば、宿泊施設の不足から別荘がホテル代わりに利用されることも期待できるでしょう。

(提供:YANUSY

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