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日本ヘルスケア投資法人の初値予想

日本初となる日本ヘルスケア投資法人 <3308> が2014年11月5日に上場予定である。10月16日に仮条件が148,000円~150,000円と決まっていたが、10月27日の発行・売出価格決定日に発行・売出価格が仮条件の上値である150,000円に決定された。

それでは上場日の初値はいくらになるだろうか、私の予想は156,000円~158,000円程度である。その後、ザラ場で160,000円を越える展開も考えられるが、終値は160,000円を割った値で引けるのではないかと考えている。

つまり、上手く軟着陸を成功させるシナリオである。そもそもこのREITの今回の資金調達額は60億円程度であり、時価総額90億円程度のREITの上場である。また、幹事証券会社のシェアは大和証券70%、みずほ証券30%である。この2社が本気で値を上げようとすれば、15%でも20%でも上場日に価格を吊り上げることはできるが、あえて軟着陸をさせるものだと考えている。ブックビルディング価格はREITの評価価格より3~4%程度低い価格のはずである。


日本初のヘルスケアREITは成功するか?

もし当日の証券市況が軟調であっても、ヘルスケアREITの日本初の上場を失敗させたくないとの思惑から、これから関係会社のヘルスケアREITの上場を控えている三井住友銀行系や新生銀行系の証券会社も値崩れを防ごうと買いを入れてくることが考えられるからである。そもそもヘルスケアREITとは、値動きが大きな投資商品では無いと考えており、無理に買い上げても、適正価格に収れんしていくことは分かりきっているので、幹事証券会社は軟着陸を成功させようとしてくるはずである。

一般的にヘルスケアREITとは、エクイティとして調達した資金に、銀行からの融資を加えて、2倍弱程度にレバレッジをかけて、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅等のヘルスケア施設を購入または建設し、それをオペレーターと呼ばれる介護施設運用者に賃貸(表面上の投資利回り7.5%以上)して、その収入から投資家に5%程度の配当利回りを提供する金融商品であり、ヘルスケアREITはオペレーターと長期一括で賃貸借契約を結ぶのが一般的であるために長期安定利回りが期待できることになる。

また、ヘルスケア施設は景気や不動産市況の影響を受けにくい資産特性があることから、ヘルスケアREITをポートフォリオに入れることにより運用リスクを低減する効果が期待することができる。

深井 豊(ふかい・ゆたか)CFP、証券アナリスト、宅地建物取引主任者
ウェルスプランニング株式会社代表取締役、住宅ローンFP相談センター代表。ドイツ銀行で日本株PFをグローバルに提供、またヘッジファンド等で日本株の運用に従事。その後UBSで超富裕層に対するコンサルタント経て、ウェルスプランニング株式会社を設立。
会社URL: http://www.weplan.co.jp/

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