この記事は2023年2月2日に「月刊暗号資産」で公開された「FOMCの結果受けビットコイン2万4000ドルを突破」を一部編集し、転載したものです。


FOMC
(画像=Funtap/stock.adobe.com)

1日のNYダウ平均は小幅上昇となった。同日まで開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、利上げ幅を0.25%に縮小させることを決定した。

市場の予測通りの結果になったことで材料出尽くし感から売りが加速し、一時500ドルほどまで下落したが、パウエル議長の記者会見で買い圧力が高まった。その結果、NYダウ平均は前日比6.92ドル(0.02%)高の34,092.96ドル、ナスダックは前日比231.77(2.00%)高の11,816.32、S&P500は前日比プラス42.61(1.05%)の4,119.21で終えている。

FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は会見で、「我々は進展を見せている。それでも、まだ仕事は残されている」と述べ、これまでの取り組みについて一定の評価を示した。一方で、今後も継続的に利上げを行うことが適切であるとの認識を示すなど、市場の楽観論に対し釘を刺している。

それでも、声明では利上げサイクルの終了を視野に入れていることも示唆した。パウエル議長は「これまで我々は金利を4.5%引き上げてきた。あと2回程度の利上げで景気抑制的と考えられる適切な水準に達するとみられる」と述べた。

こうした発言を受け、市場ではFRBが年内中に利下げへと踏み切る可能性が高まったとしてリスクオンに傾いた形だ。

株式市場の動きを受け、暗号資産(仮想通貨)市場も急騰している。

ビットコイン(BTC)は一時2万4000ドル(約309万円)を突破した。ビットコインが2万4000ドルを上抜けたのは昨年8月以来となる。

アルトコイン市場でもイーサリアム(ETH)やポリゴン(MATIC)、アバランチ(AVAX)などを中心に大きく価格を伸ばしており、全面高となっている。利下げ幅の縮小による影響は株式市場よりも大きかったと言える。

また、近頃は各国で暗号資産規制に関する動きが活発化している。

英国財務省は、暗号資産業界を規制する計画を正式に発表した。従来の金融機関における規制と同様、暗号資産関連ビジネスに規制を導入することを目的とした様々な措置を提案した。その中には、顧客に代わって暗号資産を保管する仲介業者やカストディアンを対象とする規則を強化する内容も盛り込まれた。

さらに、米国では暗号資産に関連したリスクを軽減するためのロードマップがホワイトハウスより発表。米議会に対して規制整備に関する努力を強化する必要があると指摘し、規制当局が持つ権限を拡大するために努力する必要があると促した。

現時点でこうした動向が価格面に大きな影響を及ぼしているとは言えないが、規制強化の動きはさらに強まることが予想されるため注視する必要がある。

2日はアマゾンやアップル等の決算が発表される。また、欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表も控えているため、激しい値動きに警戒が必要となる。(提供:月刊暗号資産