SANKYO<6417>、セガサミーホールディングス<6460>のパチンコ、パチスロ(パチンコ型スロットマシン)メーカー大手2社がそろって大幅な増収増益を達成できる見通しとなった。
両社は2023年2月上旬に、2023年3月期の業績予想を上方修正した。SANKYOはパチンコ機、パチスロ機ともに販売台数が計画を上回り、セガサミーはパチンコ機の販売台数が計画を下回るものの、パチスロが好調なほか経費も想定を下回ることから、売り上げ利益ともに上振れする。
これによってSANKYOはコロナ禍前の2019年3月期の実績を上回り、セガサミーもコロナ禍の影響が少なかった2020年3月期の実績を超える。コロナ越えが確実となった両社の中身を見てみると。
ゴジラとエヴァンゲリオンのコラボが話題に
SANKYOは第3四半期に投入したパチンコ機「ゴジラ対エヴァンゲリオン ~G 細胞覚醒~」が好調に推移し約5万台の販売を達成した。ゴジラとエヴァンゲリオンという異色のコラボが話題を呼んだのがヒットにつながった。
他の機種の販売も堅調だったことからパチンコ機の販売台数が前回予想の25万台から1万8000台を上回り、26万8000台になる見通し。
パチスロ機についても第3四半期に投入した「L革命機ヴァルヴレイヴ」が人気で、第4四半期に増産に踏み切るなど好調に推移した。
また2023年3月に投入予定のパチスロ機「パチスロ機動戦士ガンダムユニコーン」の受注が順調に進んでいることから、パチスロ機の販売台数は前回予想の4万台から1万1000台上回り、5万1000台になる見込みだ。
この結果、2023年3月期は売上高1550億円(前年度比82.7%増)、営業利益550億円(同2.57倍)と大幅な増収増益となる見込み。
好調なパチスロが数字を押し上げ
セガサミーはパチスロ機「パチスロ甲鉄城のカバネリ」などが好調に推移したことから、販売台数は前回予想の8万4000台から6000台多い9万台を見込む。一方、パチンコ機は一部タイトルの投入延期の影響で、販売台数を前回予想の11万4000台から1万4000台引き下げ、10万台とした。利益率の高いパチスロ機が好調だったことや、固定費が当初想定より抑えられていることが数字を押し上げた。
同社はパチンコ、パチスロ事業の売上高は全体の23%ほどだが、上方修正した増収額65億円のうちの30億円分を、また上方修正した経常増益額60億円のうちの55億円分(営業利益は公表なし)を、パチンコ、パチスロ事業が占めた。
この結果2023年3月期は売上高3815億円(同18.9%増)、営業利益450億円(同40.4%増)と2ケタの増収増益を実現できる見込みだ。
文:M&A Online編集部