メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「政策金利0.25%引き上げ、今後の金融政策は? 5日線が20日線上抜く」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.1-7.6

 (ポイント)
*政策金利は予想通り0.25%引き上げて11.25%へ
*1月経済活動指数は改善、2月貿易収支は赤字拡大
*ヌエボ・レオン州のガルシア知事は、ニアショアリング現象がメキシコの年間経済成長を最大10%促進する可能性
*米国がエネルギー問題で報復関税か
*メキシコはTikTok禁止せず
*3つのペソ円下落要因が集中し、3月は一時7円を割った
*米・スイスの金融不安が和らぎペソの下落は一服
*株式市場改革法案が第2四半期に提出される
*メキシコのファンダメンタルズは強い
*2024年に大統領選挙がある
*円高にも注意
*ボルサ株価指数は年初来11.83%高
*4Qの経常収支は赤字から黒字へ転換
*郷里送金とニアショア投資がペソを支える
*国内経済は2022年に約3%拡大

(政策金利は予想通り0.25%引き上げて11.25%へ)
 メキシコ中銀は、予想通り政策金利を0.25%引き上げて11.25%とした。声明文で、明確に追加利上げの可能性に言及した部分を削除。次回5月の会合については「政策委員会は物価見通しを踏まえ、既に達成している金融政策スタンスの是非を検討する」と説明した。前回まで2会合連続で0.5%の利上げを決めていた。足元のインフレ率の低下を受け、利上げ幅を縮小した。利上げ自体はこれで15回連続。2021年に始まった現在の引き締めサイクルで、政策金利は計7.25%引き上げられた。

(今後の政策金利の行方は)
インフレ率は、3 月上旬まで13 か月ぶりの低水準である 7.12% まで減速した。コアインフレ率も減速し始め、3月初旬には8.15%で6か月ぶりの低水準に達した。それでもなお、目標の3%の2 倍以上である。
 フィッチは今後、予想物価を上振れさせるようなインフレ圧力の再燃がない限り、中銀の利上げ打ち止めは近づきつつある。政策金利は今年半ばまでに11.5%に達し、そこをピークとして中銀は徐々に緩和的な政策へと移行していくだろう、との見方を示した。
 一方、「市場はこれを終わりと読むかもしれない。しかし、フォワードガイダンスはかなりオープンで、今後も、データ次第だ」と慎重な見方もある。

 バナメックスは、2023 年末のインフレ率が 5.2% になると予想しており、2週間前の予測である5.3%から低下している。コア予測は5.3%。

(堅調、年初来8.93%高へ回復)
 米国SVBやクレディスイスの金融破たんによるリスク回避の流れでペソ円は一時、7円割れで6.788円をつけていたが、世界の当局の対応も素早く、金融ショックも落ち着いてきて、ペソ円も7円台(3/30は7.32円)に回復している。テクニカルでもペソ円は雲の上に出て、20日線を越えた。上向いた5日線が下向きの20日線を上抜いた。

(1月経済活動指数は改善)
 1月のメキシコの経済活動指数は、前年比4.4%増で予想の3%を上回った。サービス業が前年比5.6%増で12月の2.6%を上回った。製造業は2.8%増で12月の3%を若干下回った。経済活動指数はGDPの傾向を示す。

(2月貿易収支は予想より悪化で赤字)
 2月貿易収支は18.44億ドルの赤字。前月は41.25億ドルの赤字、予想は9億ドルの黒字であった。輸出は前年比2.8%減少、輸入は4.1%増加。

(ニアショアリングの先駆者、ヌエボ・レオン州)
 ヌエボ・レオン州のガルシア知事は、ニアショアリング現象がメキシコの年間経済成長を最大10%促進する可能性があると述べた。ガルシア氏は、米国に近いこと、北米の自由貿易協定、手頃な人件費を利用しようとする外国企業のメキシコへの移転により、経済ブームが起こると予測した。
ヌエボ・レオン州は、製造業者が事業をアジアから米国に近づけるために移転したことにより、記録的な海外直接投資を受けている。世界中に「危機とリスクの状況」がある一方で、「惑星はわが国のために整列している」と述べた。

政府、民間部門、コミュニティ全体が、このような機会は 50 年または 100 年ごとにしか訪れないことを認識する必要があるとした。
 メキシコがこの機会を利用すれば、「これまでにないレベルで」経済成長を達成できると彼は述べ、GDP は年間 8~10% 拡大する可能性があると述べた。「夢を現実にするのは私たち次第で、ヌエボ・レオンがその役割を果たします」とガルシア知事は語った。

(米国がエネルギー問題で報復関税か)
 米国通商代表部 (USTR) は、エネルギー貿易紛争を解決するためのいわゆる「最終決議」を提案する予定であり、これにはメキシコが電力と電力を開放する必要があるという。それ以外の場合、米国は「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)に従い、紛争を解決するための独立したパネルが設置される。メキシコが是正しなければ、米国とカナダはメキシコ製品に数十億ドルの報復関税を課す可能性がある。

テクニカル分析

ボリバン3σ下限から反発。雲の上に出る。5日線が下向きの20日線を上抜く

 ボリバン3σ下限から反発。雲の上に出る。3月28日-29日の上昇ラインがサポート。3月9日-30日の下降ラインが上値抵抗。上向いた5日線が下向きの20日線を上抜いた。
週足、2週連続陰線後、今週で2週連続陽線となりそうだ。雲に入らず反発。5週線下向き、20週線上向き。12月19日週-3月20日週の上昇ラインがサポート。3月6日週-20日週の下降ラインを上抜く。ボリバン上位。
 月足、1月、2月は陽線。今月は下へ突っ込むも、
後半反転してきた。1月-3月の上昇ラインがサポート。5か月線下向く、20か月線は上向き。
 年足、一時22年の長い上ヒゲを上抜くも、その後23年も長い上ヒゲに転じる。21年-22年の上昇ラインがサポート。

メキシコペソ見通し
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VAMOS MEXICO

メキシコはTikTok禁止せず

 ロペスオブラドール大統領は、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok」の使用を禁止しないと明言した。米国では安全保障上の懸念から禁止の可能性が浮上している。
大統領は「完全な自由」を確約すると述べた。
 中国外務省はこの日、米国はTikTokが国家の安全保障を脅かしている根拠を提示していないとの見解を示した。カナダは先月、プライバシーとセキュリティー上の懸念を理由に政府支給の端末からTikTokを削除するよう指示。他の諸国や組織でも禁止の動きが相次いでいる。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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