SBIアートオークション株式会社は、2023年4月14日(金)・15日(土)に第58回オークション『LIVE STREAM AUCTION』を開催しました。
この記事では、エスティメート(オークションハウスが見積もった落札予想価格)に対して落札価格の伸び率が高かった作品TOP5と、落札価格の高かった作品TOP3をご紹介します。
LIVE STREAM AUCTIONの概要
SBIアートオークション株式会社は、会場を設けないで行うライブ配信型の『LIVE STREAM AUCTION』を開催しており、電話や書面、オンラインで入札ができる仕組みを採用しています。
当日はオークショニアが入札状況をまとめながら進行。コロナ禍を経て新しい生活様式が確立されるなか、注目の作品を落札したい国内外の参加者にとって非常に利便性の高い方式です。
今回の『LIVE STREAM AUCTION』では草間彌生、村上隆、奈良美智、小松美羽、KYNEなどの国内人気作家をはじめ、アンディ・ウォーホル、バンクシーなど海外作家の作品も登場しました。
エスティメートに対して伸び率の高かった作品TOP5
まずはエスティメートと比較して、落札金額の伸び率が高かった1位から5位までの作品をご紹介します(エスティメートの上限値をもとに算出)。
【第1位】杉田 陽平『The Abstract Life』
https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/113/405
エスティメート価格:20万円~ 30万円
落札価格 :299万円
エスティメート上限価格に対する伸び率:約9.7倍
杉田氏は数多くの展示会、個展を開催し、近年ではメディア出演、YouTubeチャンネルの運営などにも精力的に取り組んでいる作家です。落札額は、エスティメート上限価格から約9.7倍となり、非常に高い伸び率を記録しました。
知名度と作品の価値がともに高まりつつある、今後要チェックすべき作家の一人と言えるでしょう。
【第2位】薄久保 香『Cosmos』
https://sbiartauction.co.jp/results/detail/113/410
エスティメート価格:10万円~15万円
落札価格 :69万円
エスティメート上限価格に対する伸び率:約4.6倍
2000年代から精力的に活動し、現在は自身の創作活動と並行して東京藝術大学美術学部絵画科油画准教授として指導にも取り組んでいる薄久保氏の作品も、エスティメート上限価格から約4.6倍の落札額と大きく伸びました。
デジタルとアナログの両方を使った技法で制作された作品は、単なる写実画には出せない風合いを醸しています。
【第3位】デイヴィッド・シュリグリー『Shark Says』
https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/113/362
エスティメート価格:40万円~70万円
落札価格 :310万5,000円
エスティメート上限価格に対する伸び率:約4.4倍
イギリスの現代アーティスト、デイヴィッド・シュリグリーの『Shark Says』が3位にランクインしました。ポストYBAs(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の一人として、英国らしい社会風刺やブラックユーモアに富んだ作品を数多く発表しているアーティストです。
エスティメート上限価格から約4.4倍以上の落札額となった今回の結果を見ても分かる通り、日本でも高い人気を持っています。
【第4位】マイケル・ケンナ『Taushubetsu Bridge, Nukabira, Hokkaido, Japan』『Kussharo Lake Tree, Study 6, Kotan, Hokkaido, Japan』
https://sbiartauction.co.jp/results/detail/113/178
エスティメート価格:7万円~13万円
落札価格 :52万9,000万円
エスティメート上限価格に対する伸び率:約4倍
マイケル・ケンナは、アメリカ在住のイギリス人風景写真家です。北海道の風景を収めた写真集『HOKKAIDO』を発表しており、なかでも今回出品された屈斜路湖に立つ木を撮影した作品は非常に高い人気です。
モチーフとなった木は通称『ケンナの木』と呼ばれ、写真愛好家のなかでもフォトスポットとして知られています。
【第5位】鈴木 雅明『エントランス』
https://sbiartauction.co.jp/results/detail/113/302
エスティメート価格:8万円~14万円
落札価格 :52万9,000円
エスティメート上限価格に対する伸び率:約3.8倍
1981年生まれの鈴木氏の作品も事前予想より高い評価を得ました。国内ではまさに今注目の作家で、制作当初から描き続けている“夜景に浮かぶ光"の描写を得意としています。
今回の作品にもその魅力が存分に溢れ出ており、身近にある街頭やネオンをモチーフとした写実的な画風はノスタルジーを感じさせる素晴らしい作品です。
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落札金額が高かった作品TOP3
続いて、今回のオークションにて落札金額の上位1位~3位までの作品をご紹介します。結果は、アート界隈において名が知れ渡っている著名アーティストの注目作品がずらりと並びました。
【第1位】KYNE『Untitled: A-O』/村上隆 × KYNE『Untitled: P-R』
https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/113/321
エスティメート価格:500万円~800万円
落札価格:1,380万円
国内現代アーティストで、高い評価を獲得し続けているKYNE氏と村上氏のシルクスクリーン作品18点セットが今オークションでトップの値がつきました。
2020年代に非常に高い注目を集めている作品が、今後どのように価値が推移するか注目です。
参考記事:
「KYNE|作品の特徴や代表作・コラボ作品などを解説」
https://magazine.collet.am/50
「村上隆|作品やその価値について解説」
https://magazine.collet.am/52
【第2位】KYNE『Untitled』
https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/113/337
エスティメート:600万円~900万円
落札価格:1,265万円
2位にもKYNE氏の作品がランクインしました。KYNE氏は福岡を拠点に活動しており、クールな表情を浮かべた女性(通称「KYNE GIRL」)が代名詞です。
KYNE氏は世界的に人気を集めており、オークション市場でも高評価を得続けています。
【第3位】今井 麗『LOVERS』
https://www.sbiartauction.co.jp/results/detail/113/306
エスティメート:300万円~500万円
落札価格:1,207万5,000円
油絵作家・今井氏の作品も1,265万円と高値で落札されました。イタリアの高級アパレルブランド「ロロ・ピアーナ」とのコラボレーションや、海外での個展など年々活躍のフィールドを広げており、大胆な構図と柔らかなタッチで不思議な世界観を構築している今井氏の作品は、国内外で高い人気を集めています。
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