人員を10年で2倍に

-今後のM&Aも同じような路線になるのでしょうか。

そうだ。IoT(モノのインターネット)などのテクノロジーを使った臨床試験を行っており、オンコロジー、ニューロサイエンス(神経科学)などを得意としている親和性が高い企業が対象になるだろう。

-10年以内に60カ国・地域に事業エリアを広げるとの計画を掲げられておられます。

今は北半球にしか拠点がない。例えばインフルエンザの治験をする際に日本が夏の時に、オーストラリアは冬なので、一年中インフルエンザのデータが取れる。リニカルに頼めば2年かかるが、グローバルな企業だと1年でできるということになってはならないので、早急に南半球に出ていかなければならないと考えている。

またデータはできるだけ人口の多いところでとるのがよい。そうすると中国やインドはもちろん、人口が増えているインドネシアやラテンアメリカなどにも出ていかなければならない。もちろん欧州や北米にも力を入れていく。こうしたことを考えると60カ国・地域になる。

-事業エリア拡大にM&Aを活用される計画はお持ちですか。

北米はM&Aが必要だと考えている。米国は今100人ほどだが、次のM&Aで200人ほどにしたい。理想は米国企業でラテンアメリカに子会社を持っているところであれば、南半球にも進出できると考えている。

買収したドイツの会社はメインオフィスがドイツ、スペイン、フランス、オランダの4カ国にあった。米国でも、オンコロジーをやっていて、最新のテクノロジーを使っていて、100人規模で、子会社を複数カ国に持っているような会社があれば買収対象になる。来年か再来年には実現したい。

-人員体制についてはどのような計画ですか。

現在人員は800人ほどだが、10年以内に1700人体制にしたい。米国はM&Aと人員増強を合わせ現在の100人を400人に、欧州は200人を400人に、アジアは130人を400人に、日本は400人を500人にする計画だ。

M&A Online

(画像=秦野和浩リニカル社長、「M&A Online」より引用)

【秦野和浩(はたの・かずひろ)氏】

1990年、星薬科大学薬学部卒業後、マルホに入社
1998年、メディテックインターナショナルに入社
1999年、藤沢薬品工業(現:アステラス製薬)に入社
2004年、アウローラ取締役
2005年、リニカル設立、代表取締役社長に就任(現任)
1965年3月生まれ、京都府出身

文:M&A Online