M&Aへのスタンスは?

このM&A/出資については、健全なB/S(貸借対照表)を前提としたもので、発生したのれんは、純資産の7割程度を上限としてコントロールしていく考え。2023年7月期第3四半期決算では、のれんは43億3600万円、純資産の約4割占め、この状況を考慮した中で進められていくことになる。

なお、同社社長には、2023年8月1日に創業者の松本恭攝氏が代表取締役社長CEOから代表取締役会長に、代表取締役社長CEOには、取締役CFOで投資分野にも明るい永見世央氏が就任。新経営体制への移行について「複数事業を運営・最適化しながら、内製の事業立ち上げだけではなく、連続的なM&Aによる拡張を通して事業のさらなる成長へとつなげていくため」としており、これまで以上にM&Aを重要な経営戦略ととらえていることがうかがえる。

ラクスルの沿革と主なM&A
2009年9月 資本金200万円で会社設立
2010年4月 印刷通販の価格比較サービスサイト「印刷比較.com」の運営を開始
2010年9月 「印刷比較.com」を「ラクスル」に名前変更・サイトリニューアル
2013年3月 印刷のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を開始
2015年12月 物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を開始
2018年5月 東京証券取引所マザーズに上場
2020年4月 広告のプラットフォーム「ノバセル」を開始
2020年9月 ペライチの株式取得を発表
2020年12月 ダンボール・梱包材の受発注プラットフォーム運営のダンボールワンを関連会社化
2021年9月 コーポレートITのプラットフォーム「ジョーシス」を開始
2022年2月 ダンボールワンを完全子会社化
2022年2月 ジョーシスを「ジョーシス株式会社」として分社化
2022年8月 セイノーホールディングスとジョイントベンチャー「ハコベル株式会社」を設立
2023年8月 ダンボールワンを吸収合併
2023年8月 オンデマンド印刷事業のラクスルファクトリーを完全子会社化
2023年9月 AmidAホールディングスの完全子会社化を目指したTOB(9月25日まで)

文:M&A Online