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住宅ローンと不動産投資向けローン違い

住宅ローンと比較すると不動産投資向けのローンは、融資条件が金融機関によって大きな違いがある。特に住宅ローンの場合、一般的には保証機関に保証料を支払うことにより連帯保証人を不要としているが、不動産投資向けのローンでは原則必要である。その時連帯保証人として配偶者や親族がなる場合が多いことから独身者は借り入れが起こしにくい傾向となっている。
その中でも、住宅ローンの返済途中で死亡、高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払ってくれる団体信用生命保険に加入できる場合、連帯保証人なしで借りられることもあるが、保険金の上限としてメガバンクや地方銀行が1億円、その他の金融機関やノンバンクは2~3億円と幅がある。

物件の評価の方法にも違いが

物件の評価の方法もそれぞれ違いがあり、担保価値を査定する場合は『収益還元価格』(家賃収入をベースに評価する)と、『積算価格』(土地と建物の価格を積み上げる)がある。この評価手法によって物件が同じでも価格と融資限度額が大きく変わるため、どの銀行に借り換えを行うのか金融機関のカラーを十分に知る必要がある。当初多額の資金を融資してくれた金融機関を変更するとなれば、今後二度と融資が受けられないのではないかという不安が生じる場合もあるだろうが、既存金融機関と並行して交流すべきと言える。

不動産投資用ローンでは有利に働かない固定金利

借り換えを検討する基準となる金利の種類として、変動型、固定金利期間選択型、全期間固定型の3種類があり、全期間固定型なら金利変動リスクを避けるという点で有利だが、これは収益を生まず住宅ローン等の融資にあてはめた場合に限られる。
不動産投資用ローンの場合は、3年固定型~5年固定型の金利を選択する場合がほとんどで、長期固定型になれば住宅ローン金利よりもかなり高くなることが理由だ。不動産投資向けの融資の場合、当初設定した返済期間より一括繰り上げ返済を行う場合、残存期間に応じたペナルティが課せられるということも大きな理由だ。その金額も数百万円レベルではなく、返済のタイミングによっては1千万円単位になる。
仮に20年返済で2%の固定型ローンを借りたとし、金利負担だけを見れば魅力的だが、不動産投資では、譲渡税の税率が変わる5年目、大規模修繕の検討が必要な5~10年目、ローン金利の経費計上効果が下がって税金が上がる時期、価格相場が上昇して売り時が来た時、その他個別事情により返済途中で売却を検討するべきタイミングが必ず来る。そのタイミングの時に多額のペナルティが足かせになって売るに売れない恐れがあるのだ。

不動産投資ローンの借り換え時の注意

借り換えの重要検討項目として、借り換えた場合と借り換えなかった場合で全融資期間を通じてキャッシュアウト差がどれほど生じるのかという点があげられる。
それに合わせて金利変動リスクの他に流動性リスクも検討しておく必要があるだろう。二つのリスクを考慮すれば、固定金利選択期間中の一部繰り上げ返済にペナルティが付くこともあるということを認識した上で、3~5年程度の短期間だけ固定する固定金利期間選択型が無難といえる。
借り換えによって新たな金融機関と付き合うことになれば金利は最初高めかもしれないが、返済実績を何年か積むことで金利の引き下げ交渉を行うことで条件変更をすることも可能になると言える。

(ZUU online)