5週連続で平均視聴率20%をキープ
NHKの朝の連続ドラマ小説が好調のようだ。現在放送しているドラマは『マッサン』。初回視聴率は21.8%、放送開始から5週連続で平均視聴率20%をキープしている。NHKは前々々番組の『あまちゃん』でも高視聴率を叩き出しており、連続ドラマ小説は世間でも話題になることが多い。
今回の『マッサン』は連続ドラマ小説史上初めて純外国人をヒロインとして抜擢した。『マッサン』は明治から大正にかけてウイスキーづくりに情熱をかけた男(亀山政春)とその妻(亀山エリー)の物語だ。大阪弁を話す気品あふれるスコットランド人の妻と夢を追いかける不器用な日本男児のドタバタ喜劇が多くの人を魅了するのだろう。
この『マッサン』にはモデルがいる。それがニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏とその妻である竹鶴リタである。『流暢な関西弁を操るまでになったが『マサタカサン』という発音が難しかったためか、竹鶴のことを『マッサン』と呼んだ』そうだ
創業の地は北海道余市郡余市町、ニッカウヰスキー
さて、ニッカウヰスキーについて詳しくみてみよう。現在の本社所在地は東京都港区南青山となっているが、創業の地は北海道余市郡余市町だ。創業時は大日本果汁株式会社という名前だ。ウイスキーの製造のために創業したものの、ウイスキーは製造開始から出荷までにある程度の期間を要するためにその間はりんごジュースやアップルワインを販売して経営を支えていた。
もうお気づきの方もいるかもしれないが、『ニッカウヰスキー』の『ニッカ』とは設立時の社名である『大日本果汁』の『日』と『果』を取ったものである。ちなみにニッカウヰスキーは1954年に朝日麦酒(現在のアサヒグループHD)が筆頭株主となり、2001年にアサヒビールの完全子会社となった。『マッサン』の人気に伴い、ウイスキーの売り上げもじわじわと伸びているようだ。
アサヒ、サントリー共に限定商品販売
こうなると気になるのは関連銘柄だ。ニッカウヰスキーがアサヒビールの完全子会社であることからアサヒグループHD < 2502 > は注目株と言える。アサヒグループHDは、放送開始に合わせて『竹鶴政孝の精神を受け継ぐ商品』との触れ込みで新ブランド『ザ・ニッカ』を投入。ラインナップの一つである『ザ・ニッカ40年』は1945年の原酒をブレンドし、1本50万円(700本限定)ながら、老舗のバーや年配のファンから問い合わせが相次いでいる。
また、ドラマにはサントリーの前身である寿屋創業者、鳥井信治郎氏がモデルとなっている鴨井欣次郎(堤真一が演じている)も登場している。同社も『サントリーウイスキーホワイト』で、85年前に創業者・鳥井信治郎が国産ウイスキー第一号として世に送り出した当時のデザインを再現し、復刻版として限定発売している。
この影響でサントリー食品インターナショナル < 2587 > も関連といえる。さらに同業銘柄としてはキリンホールディングス < 2503 > も挙げられるだろう。