4.TOBプレミアムの推移
第3四半期の総プレミアム平均は45.34%と2年ぶりの増加に、ディスカウントを除くポジティブプレミアム平均は48.50%と3年ぶりの減少となった。一方、ディスカウントプレミアム案件はREVOLUTION<8894>のMBO(経営陣による買収)の1件だけだった。買付価格は1株につき6円で、3カ月平均株価(15円)に対して60.00%のディスカウントとなっている。
最もプレミアムが高かったのは、キヤノンマーケティングジャパン<8060>が東京日産コンピュータシステム<3316>を、成長戦略の柱と位置付けるITソリューション事業の業容拡大につなげるために完全子会社化したTOB。3カ月平均株価の778円に124.68%のプレミアムを上乗せした1748円で募集した。
東京日産コンピュータシステムは1982年に東京日産自動車販売(現日産東京販売ホールディングス)のコンピューター事業部としてスタートし、1989年に分社独立して設立された。2004年にジャスダック市場に上場し、2022年4月に東証スタンダード市場に移行していた。
第3四半期プレミアム比較 | |||
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期間 | 2021 3Q | 2022 3Q | 2023 3Q |
総プレミアム平均 | 40.31% | 32.77% | 45.34% |
ポジティブプレミアム平均 | 48.35% | 48.56% | 48.50% |
5.買収プレミアムの分布水準
第3四半期は50%超の高プレミアム案件が7件(36.8%)、40%台が2件(10.5%)、30%台が4件(21.0%、うち1件が不成立)、20%台が2件(10.5%)、10%台が0件、1%台が3件(15.7%)、ディスカウントが1件(5.2%)だった。
文:M&A Online