総括
FX「昨年来高値更新。テスラ・中国BYDがメキシコ決戦」メキシコペソ見通し
予想レンジ 8.5-9.0
(ポイント)
*昨年来の高値更新、次の目標は2008年10月の9.753
*メキシコ中銀の次回政策金利決定は3月21日、FOMCは前日の20日
*鉱工業生産、2023年通年では3.5%増
*中国BYDもメキシコ進出か
*政策金利を11.25%に維持も利下げ示唆
*対米輸出が中国を抜いて世界一
*郷里送金も記録的な伸びが続く
*2023年のGDPは前年比3.1%増加、IMFの2024年成長見通しは2.7%
*気になるのは財政支出拡大と財政赤字拡大
*メキシコ初の女性大統領を目指す選挙選(6/2)
*AMLO大統領は「スーパーペソ」の復活を歓迎
*トランプ大統領が誕生すればメキシコに一波乱あり
(次の目標は2008年10月の9.753)
ペソ円はさらに上昇2月14日は8.818をつけ、昨年8月28日の高値8.776を上抜いた。次の目標は2008年10月の9.753となる。年初はやや出遅れたが、2月はここまで最強。年初来ではドルに次いで2位、対円で5.9%高。ただ対ドルでは1ドル17.0を抜けきれない。ボルサ株価指数は年初来0.23%安、10年国債利回りは9.56%。
(次回政策金利は、FOMCの翌日)
メキシコ中銀の次回政策金利決定は3月21日、FOMCは前日の3月20日となる。
(メキシコ中銀調査)
メキシコ中銀の調査
・エコノミスト10人中4人がメキシコのビジネス環境は今後6カ月で悪化するとの見方を示した。2024年の国内総生産(GDP)は増加すると見ているにもかかわらず、メキシコのビジネス環境は今後6カ月は改善しないと見ているという。
・エコノミストの86%が現在の景気は1年前よりも良くなっていると見ているのに対し、14%は景気が良くないと予想。
・エコノミストはメキシコ経済が2024年に2.37%以上成長し、インフレ率は4.13%、為替レートは1ドル当たり18.38ペソになると見込んでいる。
(12月鉱工業生産は横ばい、2023年通年では3.5%増)
メキシコの12月鉱工業生産は前年比変わらず。11月に2.9%増と上方修正され予想の2%成長を大きく下回った。建設業と公益事業は堅調な伸びを見せたが、製造業と鉱業・採石業の減少で相殺された。 2023 年通年では前年比3.5%増加。
(中国BYDもメキシコ進出か)
中国BYDがメキシコに電気自動車生産工場を設置することを検討していると、日経新聞が報じた。
BYDは、メキシコに米国への輸出センターを設立する予定だ。前四半期の販売で最大のライバルであるテスラを上回り世界の電気自動車のトップメーカーとなったBYDは、新工場の実現可能性調査を開始し、場所やその他の条件についてさまざまなレベルで政府当局者と交渉している。
米中経済関係の改善もなく、高関税を避けるためのメキシコ進出。メキシコから輸出すれば、免税特権が得られる。ライバルのテスラは既に工場建設を進めている。
(メキシコの強いファンダメンタルズを生み出す状況は変わらず)
従来通り、2年連続最強通貨をもたらしたニアショアリングに起因するメキシコの強いファンダメンタルズや堅調な郷里送金での需給は変わっていない。少なくも米国大統領選挙の結果が出るまでは。
テクニカル分析
2008年10月6日以来の高値
日足、2月14日に2008年10月6日以来の高値8.818の高値をつける。2月15日は小反落。2月1日-15日の上昇ラインがサポート。2008年10月6日-2024年2月14日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限へ上昇。1月29日週-2月5日週の上昇ラインがサポート。2008年10月6日週-2024年2月12日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、23年7月からの山なり状態を上抜いた。12月-1月の上昇ラインがサポート。2008年8月-2023年11月の下降ラインを上抜く。
年足、23年で3年連続陽線。14年-22年の下降ラインを上抜く。22年-23年の上昇ラインがサポート。
VAMOS MEXICO
ヤンキース イン メキシコ
ニューヨーク・ヤンキースは3月にメキシコシティでエキシビションゲームを行うと発表した。
2試合は3月24日と25日にディアブロス・ロホス・デル・メキシコと対戦する。ヤンキースが最後にメキシコでエキシビションゲームを行ったのは1968年だった。