総括
FX「政策金利は45%で据え置きか」トルコリラ見通し
(通貨12通貨中9位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円4.3-5.3
*対円では強いが、対ドルで弱い
*株価は絶好調
*今週、中銀は政策金利を45%に据え置くと予想
*来週はGDP発表
*財務大臣の経済見通しが羅漢的
*大統領が過去と異なり経済問題に口を出さないのが不思議
*米国は対露貿易に関わるトルコの銀行を制裁か
*失業率は2023年12月に8.8%に低下
*1月消費者物価は高止まり
*1月貿易赤字は縮小も赤字は継続
*預金の4割が外貨預金であることもリラ安要因
*プーチン大統領が近くトルコ訪問
*年末までに金利が20%低下する可能性、ゴールドマン・サックス
*格付会社は見通しを引き上げ
*対ドルで30リラにのせる。史上最安値
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張
(リラ=円より強いが、対ドルで引き続き下落中。株価は独走)
リラは先週末で年初来対円で2.31%高、対ドルで4.08%安。対ドルではチャートのようにリラが下げ止まらない(ドル・リラが上昇)。イスタンブール株価指数は年初来25.76%高で独走。10年国債は25.2%。
チャートはドルリラ。
(中銀は政策金利を45%に据え置くと予想)
今週中銀は政策金利を45%に据え置くと予想されている。カラハン総裁の最初の政策金利決定となる。先月は2.5%の利上げを実施し、引き締め政策が終了したとされている。
中銀はディスインフレを確立するために必要な政策設定を達成しており、毎月のインフレの基本的な傾向が大幅に低下するまでこの金利水準が維持されるとした。
中銀は主要金利をエルカン新体制後36.5%引き上げている。
カラハン総裁は今月初めに四半期インフレ報告を発表し、インフレが目標に低下するまで引き締め政策スタンスを維持し、年末のインフレ予想を36%に据え置くと述べた。 現時点で追加利上げの必要性はないが、緩和について語るのは時期尚早で、迅速な緩和サイクルへの期待が後退し、インフレが年央頃に冷え込み始めるまでタカ派姿勢を維持するようだ。
政策金利は2024年末時点で37.5%になると予想されている。インフレ率は先月65%近くで推移しており、低下傾向に入る前に年半ばまでにピークに達すると予想されている。
(来週はGDP発表)
2月29日には23年4Q・GDPが発表される。前期は、前年比で5.9%増。予想は4.4%増。
(楽観的なシムシェク財務大臣その1、インフレ)
シムシェク財務大臣はインフレ抑制のために「特別な」ことは何もしないと述べ、従来の金融政策を採用する決意を強調した。引き締め政策が効果的であるとの自信を表明し、インフレは2024年下半期に急激に低下するとの見方を繰り返した。
大臣は、昨年9月に発表された中期プログラムは物価安定と一桁インフレの確保を目指していると強調した。
インフレ率は今年末までに36%に低下し、2025年には14%に低下し、2026年には一桁になると見込んでいる。
(楽観的な財務大臣その2、信用改善)
シムシェク財務大臣は、トルコの金融政策戦略が市場で好意的に受け止められていることを強調し、重要なリスク指標であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が、昨年5月には最高で700ポイントあったのに比べ、現在は300ポイント未満にまで大幅に低下したことを挙げた。
大臣は、政府の経済計画が機能しているという強力な証拠があると述べた。
2023年下半期の時点でトルコへのポートフォリオ純流入額が大幅に増加しており、3月下旬の地方選挙後にはその勢いがさらに加速すると予想していると述べた。
2023年末の経常赤字は452億ドルだが、今年は300億ドルを下回るだろうと述べた。堅調な経済成長を強調し、トルコは主要な新興市場の一つであると述べた。
「現在、一時的な景気減速を経験しているが、構造改革はこの成長を再構築し、中期的に持続可能な高成長を確保するための重要な分野の1つである」と述べた。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
円より強いが、週足、月足でまだボリバン下位
日足、ボリバン中位。2月8日-19日の上昇ラインがサポート。2月16日-19日の下降ラインが上値抵抗。5日線横ばい、20日線下向き。雲中。
週足、ボリバン下位で推移。1月8日週-29日週の上昇ラインがサポート。11月13日週-2月12日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向く、20週線下向き。
月足、2σ下限近辺で推移。7月-8月の上昇ラインを下抜く。12月-1月の下降ラインを上抜くか。8月10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、9年連続陰線。その間5.2円から4円台へ沈む。去年当初は僅かに陽転していたが3月から陰転。今年1月は陽線。
メルハバ
米国がトルコ銀行の規制強化か
米国がロシアと取引を行うトルコの銀行に対して監視、制裁を強めている。ロシアは、トルコの銀行がロシア顧客に対する規制を強化していることを認識しており、相互に受け入れ可能な解決策を見つけるためにトルコと協力していると述べた。
ロシア政府ペスコフ報道官は、ロシア政府はこの問題を巡りトルコ大統領と対話しており、その原因は米国の「攻撃的な」圧力だと非難した。
トルコ政府はロシアを制裁していないが、同国の銀行はロシア企業との取引で二次制裁を受けるリスクに直面している。
銀行は米国の制裁対象を回避するため、ロシア関連取引の監視を強化している。