総括
FX「3月はここまで南アランドが最強、鉱産物価格が上昇」南アランド見通し
「通貨7位、株価18位」
「予想レンジ 南アランド円7.6-8.1」
(ポイント)
*3月はここまで最強通貨
*鉱産物価格上昇がランドをサポート
*23年4Q・GDP テクニカルリセッションをかろうじて回避
*選挙戦が始まった
*米財務省ナンバー2が今週、南ア訪問
*中銀は選挙前でもタ派(インフレ本位)
*消費者物価5.3%へ上昇
*財政赤字縮小の為に外貨準備に手を付けたことを市場が嫌気
*5月29日に大統領選挙と総選挙
*インフレはまだ抑制されていない 中銀総裁
*電力問題の終わりは近づいている、電力大臣
*スタンダード銀行、2024年の南アフリカ経済にプラスの見通し
*成長は電力、物流、財政次第
*中国と南アの関係は強化されている
*グレイリストには2025年まで残る
*人口は増加、白人は減少
(3月はここまで南アランドが最強)
3月はここまで南アランドが最強だ。円よりも強い。2月は12通貨中11位、年初来では7位。株価(全南ア指数)は20市場で18位、年初来4.13%安。10年国債利回りは10.11%。
(南アの強み)
ドルが下落して南アが上昇しているのは他通貨と同じだが、米金利低下観測で、南ア産出の鉱産物価格が上昇しているのもランドを支えている。
(GDP、テクニカルリセッションをかろうじて回避)
焦点だった4Q・GDPは、前期比で0.1%増加した。予想の0.3%増を下回った。4Qにプラスに寄与したのは6業種で、運輸、鉱業、金融が成長をけん引した。選挙前の経済の停滞と高水準の失業率は有権者が挙げる懸念事項の上位となっている。23年3Qは0.2%減少していたので、テクニカルリセッションをかろうじて回避した。前年比では1.2%増で、3Qの0.7%減、予想の0.9%増を上回った。
2023年通年の成長率は前年比0.6%と弱かった。停電と物流問題に寄るものだ。
(他の指標は以下の通り)
・2月S&P製造業PMIは50.8、前月の49.2から改善
・1Q企業信頼感指数は30 前期は31
・話題になっていた外貨準備だが2月は616.53億ドルで1月の611.88億ドルから増加
・23年4Q経常収支は1655億ランドの赤字。前期の344億ランドの赤字から拡大。
(選挙戦)
南アを統治するアフリカ民族会議(ANC)は5月29日の選挙に向けたマニフェストを発表したが、一部の世論調査では同党の得票率が初めて50%を下回る可能性があることが示唆されている。そうなれば初めて複数政党制が実現することになる。それは南ア国民にとって、そしてこの地域にとって重要な転換点となるだろう。 ANCは今後も議会の最大政党であり続ける可能性が高いが、不十分な公共サービスの提供、汚職、経済的に壊滅的なエネルギー危機により支持率の加速的な低下に苦しんでいる。
現状
○アフリカ民族会議(ANC)230議席(57.50%)
○民主連合(DA)84議席(20.77%)
○経済的解放の闘士(EEF)44議席(10.79%)
○インカタ自由党(IFP)14議席(3.38%)
○自由戦線(FF+)10議席(2.38%)
○アフリカ・キリスト教民主党(ACDP)4議席(0.84%)
(この他8政党が合わせて14議席を獲得)
テクニカル分析(ランド/円)
3月最強スタート、先週後半は小反落
日足、雲の上に出るも先週末は反落。ボリバン中位割り込む、2月29日-3月8日の上昇ラインがサポート。3月6日-8日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線横ばい。
週足、ボリバン中位を下抜く。雲の上は維持。1月22日週-2月26日週の上昇ラインがサポート。2月19日週-2月26日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、6月-1月の上昇ラインがサポート。22年6月-23年11月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線下向き。
年足、2023年は円とデッドヒートを繰り返しほぼ同位の10位。21年-23年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
米財務省ナンバー2が今週、南ア訪問
アデイエモ米国財務副長官が南アを訪問し、両国関係に緊張が見られる中でも両国間の経済関係の発展を目指すと語った。
アディエモ氏は今回の訪問で、まず違法金融、クリーンエネルギーへの移行、若い起業家や指導者への投資、野生動物密売への取り組み、米国の制裁などの問題について話し合う予定だと述べた。
3月11日から15日までの予定で、政府関係者、ビジネスリーダー、学生などと会談する予定だという。ケープタウン、プレトリア、ヨハネスブルグへの訪問が含まれる。
南アにとって米国は第3位の貿易相手国。 AGOA貿易、パレスチナ問題も議論されよう。