「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」などの世界的人気作品を生み出した漫画家の鳥山明氏が3月1日、急性硬膜下血腫のため亡くなった。
鳥山明氏は1978年に「週刊少年ジャンプ」の読切作品「ワンダーアイランド」で漫画家デビューした後、1980年に「Dr.スランプ」の連載を開始。アラレちゃんをはじめとした魅力的なキャラクターが人気となり、1年後にはアニメ化された。その後、「ドラゴンボール」の連載、アニメ化、ゲーム「ドラゴンクエスト」のイラストを担当するなど、人気作品を生み出した。スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」チームは、「突然の訃報に接し、驚きと悲しみに堪えません」とコメント。「ドラゴンボール」の単行本の累計発行部数は世界で2億6000万部にのぼる。鳥山明氏の圧倒的なデザインセンスは多くの漫画家、クリエイターに大きな影響を与えた。
「週刊少年ジャンプ」の公式サイトでは、鳥山明氏と親交が深かった「ドラゴンクエスト」ゲームデザイナーの堀井雄二氏、「I”s」の桂正和氏、「ONE PIECE」の尾田栄一郎氏、「NARUTO-ナルト-」の岸本斉史氏のコメントが掲載されている。コメントの中で、岸本氏は鳥山氏を「漫画の神様」、尾田氏は「漫画なんて読むとバカになるという時代からバトンを受け取り大人も子供も漫画を読んで楽しむという時代を作った一人」と述べており、故人の業界における存在の大きさは計り知れない。
また4日には、「ちびまる子ちゃん」の主人公まる子役で知られる声優TARAKO氏が急逝した。TARAKO氏は「ちびまる子ちゃん」初回放送から34年にわたり、まる子の声を演じてきた。その他「ニッポンぶらり鉄道旅」のナレーションなど多岐にわたり活躍した。TARAKO氏は今年に入ってから体調を崩し、療養しながら仕事を続けていたが、容体が急変し4日に亡くなった。9日に行われた第18回声優アワード授賞式の冒頭では、鳥山明氏とTARAKO氏2人に向けた黙祷が行われた。
一方で、10日に行われたアカデミー賞の長編アニメーション賞に宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が選ばれた。日本の作品が同賞を受賞したのは、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」以来、実に21年ぶりだ。「君たちはどう生きるか」は、宮崎駿監督が引退宣言を撤回し、原作、脚本、監督を手がけた作品。吉野源三郎の同名小説からタイトルを採用している。公開日まで情報を一切明かさないプロモーションで話題を集めた。米津玄師が主題歌、菅田将暉、柴咲コウ、木村拓哉らが声優を務めた。同作は20日から英語吹き替え版が全国で上映される。