総括
FX「CPI、貿易収支改善も3月はドルに連れて下落するのがバスケット制」人民元見通し
(通貨4位、株価13位)
予想レンジ 人民元/円20.3-20.8
(ポイント)
*米ドルとともに3月は弱い
*株価は上海・香港がプラス圏に回復
*来週は1年物MLF金利決定
*来週は1-2月小売売上、鉱工業生産の発表
*1-2月貿易は輸出入ともに増加
*2月消費者物価は上昇
*IMFが3月下旬に訪中
*成長目標は5%、インフレは3%
*預金準備率に下げ余地
*外資に製造業開放の方針
*米中対立は続いている
*米国はメキシコ経由の中国車の流入を避けようとしている
*中国への直接投資 前年から80%以上減少
*米国の輸入、中国が15年ぶり首位陥落
*格付見通しをネガティブにしているムーディーズの動きも気になる
*トランプ氏は対中関税を60%以上にすると発言
(3月の人民元はドルに連れ安。株価は漸くプラス圏に浮上)
今月の人民元はドル下落に連れて弱い。月間ではドルが11位、人民元が10位。ただ今週は盛り返しここまでドルが3位、人民元が2位。
株価は上海総合指数が年初来2.32%高、香港ハンセン指数が0.2%高と、漸くプラス圏となっている。10年国債利回りは2.412%で、2月消費者物価の上昇で2.34%から上昇している。
(2月消費者物価が6カ月ぶり上昇)
2月の消費者物価(CPI)は前年比0.7%上昇し、6カ月ぶりのプラスとなった。春節(旧正月)に関連した支出が寄与した。一方、生産者物価(PPI)は下落が続いた。
CPI予想の0.3%上昇、11カ月ぶり高水準を記録。豚肉、生鮮野菜など主要な食料品のほか、春節前後の需要増に伴い旅行の価格が上昇した。
前月比では1.0%上昇。1月の0.3%上昇から加速し、予想の0.7%上昇も上回った。
PPIは前年比2.7%下落。
人民銀行の潘功勝総裁は、1月に銀行の預金準備率を0.5%引き下げたが、さらに引き下げる余地があるとの認識を示した。
(インフレ目標は3%)
李強首相は、2024年の経済成長率目標を5%前後に設定すると表明。インフレ目標は15年以降示してきた水準に沿って3%に設定した。23年のCPI上昇率は0.2%と政府目標を下回った。
(1-2月は輸出入ともに伸びる)
1-2月の輸出は、前年同期比7.1%増加し、輸入も同3.5%増加、いずれも予想を上回った。
国際貿易が回復に向かっている。予想は、輸出が1.9%増、輸入が1.5%増だった。
1-2月の貿易黒字は1251.6億ドル。予想は1037億ドルだった。12月は753億ドル。
予想を上回る統計はエレクトロニクス部門を中心に国際貿易が回復していることを反映している。
(IMFが中国訪問、中国が指標と異なり景気減速と言われるのは?)
IMFのコザック報道官は、中国が先週発表した経済目標を評価中だとしつつ、同国が「質と持続可能な成長」を重視していることを歓迎すると述べた。
IMFのゲオルギエワ専務理事とゴピナート筆頭副専務理事が今月23-27日に北京を訪れ、中国当局者と会談するほか、経済フォーラムに出席するとも明らかにした。
中国の全人代で李強首相は今年5%前後の経済成長目標を発表。投資主導型成長モデルの転換に加え、不動産セクター危機や地方債務増大への対処方針も示されたが、構造改革の具体的な内容はほとんど盛り込まれなかった。
テクニカル分析(人民元/円)
団子天井から急落、雲の上限からは反発
日足、2月下旬よりの団子天井から急落。雲の上限で下げ止まり反発。3月12日-13日の上昇ラインがサポート。3月12日-13日の下降ラインが上値抵抗。5日線20日線下向き。
週足、2週連続陰線後、今週は陽転。1月15日週-3月4日週の上昇ラインがサポート。2月26日週-3月4日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向く、20週線上向き。
月足、1月、2月は大陽線だが、3月は米ドル下落で人民元も下落。1月-2月の上昇ラインを下抜く。7月-1月の上昇ラインがサポート。11月-2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、4年連続陽線。ただ23年は22年の高値を上抜けず。22年-23年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
中国の電気自動車は激安、日本も厳しいか
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は、同社最安のEV「シーガル」を5%値下げした。中国国内の熾烈な値下げ競争に拍車をかけた形となった。
シーガルの価格は6万9800元(日本円143万円)からとなる。
中国では米テスラの昨年初めの値下げをきっかけにEVの価格競争が激化しており、今年もテスラ、吉利汽車、広汽埃安、小鵬汽車など10社以上が新たな値下げを実施している。