セブン、コンビニ事業の分離要求も

国内約2万1500店と断トツを誇る業界最大手のセブンイレブンも実は以前、上場していた。設立から6年後の1979年に東証2部に上場し、1981年に東証1部に昇格。この間、運営会社の社名もヨークセブンから、1978年にセブン‐イレブン・ジャパンに変更し、今日に至る。

エポックとなったのは2005年。本家の米国7‐イレブン(セブンイレブン)を買収し、北米での店舗網を獲得した。同時に、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、デニーズジャパンの3社が持ち株会社「セブン&アイ・ホールディングス」を発足させたのに伴い、傘下に入った各社がそろって上場を廃止した経緯がある。

ただ、セブン&アイ・HDをめぐってはかねて海外投資ファンドがグループの稼ぎ頭であるコンビニ事業の分離・独立を求めており、将来的にコンビニ事業単体での再上場案が浮上する可能性も否定できない。

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(画像=セブンイレブンを傘下に置くセブン&アイ・ホールディングスの本社(東京・四谷)、「M&A Online」より引用)


ファミマの生みの親は?

残るファミリーマートはどうか。国内約1万6000店で、業界2番手にある。

1981年に西友ストアーからコンビニ事業が独立し、運営会社のファミリーマートがスタート。1987年に東証2部(1989年に東証1部)に上場し、順調に歩んできた。母体の西友ストアーは当時の旧セゾングループ(西武グループの流通部門)で西武百貨店、パルコなどと並んで中核をなした。

ところが、バブル期の不動産・リゾート開発失敗によるセゾングループの不良債権処理のため、西友ストアーも保有するファミリーマート株式の売却を余儀なくされたのだ。

伊藤忠商事がファミリーマート株の約30%を取得し、筆頭株主になったのは1998年。そして2020年、伊藤忠のTOBによる完全子会社化に伴い上場を廃止した。

M&A Online

(画像=ファミリーマートの店舗(都内)、「M&A Online」より引用)

ミニストップなど3社は上場を維持

コンビニ準大手・中堅ではイオン系のミニストップ、中国地域が地盤のポプラ、一都三県を中心とするスリーエフが上場を維持している。

ポプラ、スリーエフの両社についてはローソンと資本関係をはじめ、共同店舗を運営するなど緊密な間柄にあり、今回、ローソンの経営にKDDIが加わることによる影響が注目される。

文:M&A Online