主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年3月29日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(木)の為替相場
(1):ウォラーFRB理事「急がない」
(2):日銀主な意見
(3):豪小売売上高は予想を下回る
(4):英GDPは予想通り
(5):米GDPは上方修正
▼28日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:動意に乏しい展開が続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(木)の為替相場
期間:28日(木)午前6時10分~29日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ウォラーFRB理事「急がない」
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、最近のインフレ統計には「失望を感じる」とした上で「私の見解では利下げの全体的な回数を減らすか、さらに先送りするのが適切だ」と発言。講演のタイトルも含め「急がない(no rush)」という表現を4回繰り返した。
(2):日銀主な意見
日銀は金融政策決定会合(3月18-19日)における主な意見を公表。マイナス金利解除を決めた会合とあって、「ことしの賃上げが象徴的な変化として確認されたことから政策対応を見直し市場が自律的に機能する局面への転換が必要だ」「異次元の金融緩和からいわゆる普通の金融緩和に移行することは短期的なショックを起こさずに十分可能だ」などと政策転換に前向きな意見が多かった。一方で、「金融引き締めへの転換ではなく、物価安定目標の実現に向けた取り組みの一環だと明確に伝えることが重要」「急速な利上げが必要な状況ではないため、慎重な姿勢を強調することが必要」などと、追加引き締めには一定の距離を置く意見も目立った。
(3):豪小売売上高は予想を下回る
豪2月小売売上高は前月比+0.3%と市場予想(+0.4%)をやや下回った。豪統計局の担当者は「テイラー・スウィフトのコンサートによる一時的な影響を考慮すると、基調的な伸びは0.1%に過ぎない。消費は11月から1月にかけて大幅に変動したが、その後は停滞している」との見解を示した。
(4):英GDPは予想通り
英10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比-0.3%と速報値から修正なしで予想通りだった。
(5):米GDPは上方修正
米10-12月期GDP・確定値は前期比年率+3.4%と改定値(+3.2%)から上方修正。GDPの約7割を占める個人消費が前期比年率+3.3%に上方修正(改定値+3.0%)されたことが寄与した。同時に発表された米新規失業保険申請件数は21.0万件と市場予想(21.2万件)を僅かに下回り、前週(21.2万件)から減少した。