毎日オークションは4月1日、ビジュアルアイデンティティを一新し、ロゴやオフィシャルサイトなどのデザインを順次リニューアルする。毎日オークションは1973年に創業し、1989年にアート作品に特化したオークション事業をスタートした。現在は年間30回以上のオークションを開催し、絵画や陶芸のアート作品を始め、宝飾や時計などを取り扱い、15年連続で国内シェア1位を誇るオークションハウスだ。
オークションの世界市場規模は2023年時点で2兆円以上あり、今後も成長ポテンシャルが高いとされている。今年3月には米国ニューヨークのクリスティーズ(Christie's)で江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の全46作品が355万9000ドル(約5億720万円)で落札され、大きな話題になった。
ファッション業界においても、「シャネル(CHANEL)」のデザイナーだったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の遺品がサザビーズ(sotheby's)によってオークションにかけられ、またイヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)が遺したコレクション733点は総額3億4200万ユーロ(約429億円**)で落札されている。
こうした中、毎日オークションは創業から50年を迎えた2023年に存在意義や価値観を再設定したが、今回のビジュアルアイデンティティの一新も新たな理念体系に基づいた姿勢を反映させた。毎日オークションの取締役社長の望月宏昭氏は、今回のビジュアルアイデンティティの一新について、「既存の枠組みや先入観、思い込みに囚われることなく、柔軟性や変化を受け入れる姿勢が大切だと考えています。心新たに取り組んでいくという姿勢を示すためにビジュアルもリニューアルしました」と、その狙いについて語っている。
さらに、「近年ではアニメ・MANGAや日本の戦後美術、現代に活躍する作家にも注目が集まっており、日本国内にある美術品、工芸品のジャンルは非常に幅広く、世界のアートディーラーやコレクターからの関心も高い状況が続いています。将来的には海外にも拠点を持って下見会やオークションを通じて国内外双方向に対する情報発信を強化し、美術品、工芸品の流通を盛り上げることのできる会社になりたいと思います」と、毎日オークションの将来に対するビジョンについて語った。
日本を代表するリーディングオークションハウスへと発展する毎日オークションに今後も注目したい。
1ドル=151円換算(4月2日時点)
**落札当時